先日、赤松利市さんとお話した際に、西村寿行の『風紋の街』をベースにある作品を書いた、という話を伺って、読んでみた。

 

この作品は40年以上も前の作品だけに図書館から借りた本はボロボロだったが、中身は全く色褪せ感がなく、面白かった。

 

でっち上げの強姦事件により3年間も服役させられ、やっと出所した鉈割瓢(なたわりひさご)と斧割糺(おのわりただす)の2人。無人島に住み、近くの人妻を拉致して瀬戸内海でセックス三昧の日々を送る。夫に怒鳴り込まれた2人は、夫の姉の娘を暴力団から助け出して許される。やがて大富豪の老女に頼られた2人は暴力団と全面対決して活路を開こうと決意した。

 

とにかく現在の常識からみると、無茶苦茶なストーリーであるが、中断を許さない面白さがあった。

 

西村寿行さんは狩りもしていたので、山中の描写などがとてもリアルで狩猟犬が登場するのが西村さんらしいと感じた。

 

西村さんは昔かなりの売れっ子だったらしいので、年配の隠れファンは多いと思う。