太陽光の特高発電所も設備自体は完成し、安全管理審査に向け各種試験を行っています。
で、先日は「負荷遮断試験」を行ったのですが、とうとう恐れていたことが発生してしまいました
それは・・・
太陽光パネルの開放電圧が高すぎて、PCSが起動しない
という事象です。
実は当初の設計段階からこの事象は予想されていました。というのもパネル1枚の開放電圧が高く、STC条件で980Vくらいの開放電圧が発生する構成にしていたのです。
試験当日は11月ということもあり結構寒く朝方は氷点下でした。シリコン系のパネルは温度が下がれば効率も開放電圧も上がりますので、現地に向かう間「ちょっとまずいかな・・・」とは思っていましたが・・・
現地に到着してPCSの直流ブレーカーを投入すると、DC側電圧が960Vオーバー。PCSの起動条件は上限が950Vなので過電圧表示で起動しません。
ということで気温が上がるまで待機・・・
30分ほどすると955Vくらい、そして9時過ぎには951Vと、あと少しのところまで下がったのですが、今度は日射量が上がりだし、再び955Vに逆戻り。
どうしたものかと思案した結果、接続箱1台、しかも1回路活かし、残りの回路のヒューズホルダーを開放して遮断。そしてその回路を構成するパネルの上に衣類をかけて電圧を下げ、PCSを一旦起動してから他の回路を投入する。というものです。
電気施工会社さんに図面を漁ってもらって当該回路の位置を特定、早速実行。パネルに衣類をかけると見事に800Vくらいまで落ちたのでした
早速起動すると・・・起動しない
一旦は起動しかかるのですが、起動途中で再び停止してしまうのでした。
負荷が軽すぎてダメなのか?
ということで、再度同じ手順で起動をかけた後、起動動作中に他の回路を投入してみる。すると無事起動しました
一旦起動してしまえばMPPT制御が働くので、他の回路を投入しても過電圧状態になることはなく運転を継続するのであります。
そうこうしているうちに10時近くになり、他のPCSを見て回ると・・・ありゃま自然に起動し始めた。気温がさらに上がって自然に電圧が下がったのね
まぁ結果オーライとしておきましょう。