電験1種ともなれば、理論科目は激ムズで手も足も出ない、と思われている方も居るかもしれませんが、問題を良く見ていくと意外とそんなことは無いことに気づくと思います。もちろん、理屈が分からなかったり初めて見るような問題も有りますが(補償定理というのを1種で初めて知りました)、電験3種や2種を突破した受験生ならそれはごく一部で、基本を着実に抑えていけばかなりの部分まで解答できると思います。平成29年度の問題を実際に解いてみて感じたことを書いてみたいと思います
パターン1 問題の入口で基本をしっかり押さえる
理論問2は電界の問題。
これ、解答群に毒が仕込まれていましたね
これは5択の3種には無く、選択肢から選ばせる2種、1種によくある「毒」ですアヒャヒャー
(1)の正解は(ル)なわけなんですが、良く見かける球状表面の電界を問う過去問を漠然と解いていたりすると、なんとなく球の表面積=4πr^2っぽい式を使った(リ)から入ってしまうことになります。そうすると芋ずる式に全滅という極端な結果となります・・・問題を冷静に見れば、「電荷を面積で割る」という基本的な内容なので、(ル)であることはすぐに分かると思います。自宅での学習など心に余裕があるときは楽勝で解ける問題だと思います。しかし、試験会場で焦ってしまうと案外こういった基本的な思考がすっぽり抜け落ちて、なんとなく過去問で見たことのある解答群に魅入られるかのように間違った方向に進んでしまい、しかもその間違った解答をベースにすると辻褄のあう後続の解答群があることで「あ、これで行けるじゃん
」という毒が用意されているので、その結果・・・ということが私も含め往々にしてあるように思います。基本公式は重要だと改めて思わされる問題でした。
因みに・・・実は私も、最初(リ)から入っちゃった一人なんですが、一呼吸置いてから見直した際に気がついて完答できました。フー
パターン2 手順を見える化する
もう1つ、難問と言われた理論問5ですが・・・
問題と解答群
計算の方針を間違えると複雑な複素数計算に嵌りそうな問題ですが、実際のところ
・負荷回路をY-Δ変換する
・相電流を求める
・連立方程式を解く
少なくとも(1)~(3)をたったこの3ステップで解ける問題です。B問題なのでこれで12点。平成29年度の理論合格点が42点だから、かなり大きな得点源となる問題です。こうやって見ると上記の計算過程に軽く複素数が入っただけの、なんと言うことはない問題なんですよね。実戦では、電源側をΔ-Y変換したほうがよいのか?とか、変換計算した後の次のステップが見えていないため複素数の面倒そうな計算に躊躇したりしてしまいがちだと思います。
過去問を解く際も、同じ問題だと最初から解答が分かっていたりするのであまり意味が無さそうですが、数字を追うのではなく解く手順を追うと、同じ過去問を解く際にも効果があるし、試験で初見の問題でも相応の対応が出来るようになると思います。これは2次試験でも通じる手法だと思います。
因みに・・・どちらかと言うと法規に出題される計算問題のほうが、過去の類題も少なく、ちょっとした気付きが大きく得点を左右するような気がします。私、法規の計算、とても苦手でした