おわりは、はじまりのはじまりなのだ
1年程前から空き家になっていた隣家。
先週から解体工事が始まりました
妻の祖父母が住んでいたその家は、
現在の2階建てに建て替えられる以前、うちやグランマの家の敷地までのびる大きな平屋だったとか。
この辺りは、東京にしては珍しいくらいのんびりと牧歌的で、人々は地域に根づいて暮らしています。
「お嬢さんが~」の名称は、妻を指すかと思いきや、グランマのことだったりして![]()
妻の家族はこの地で、長きに渡り見守られてきたようです。
そんな、ひっそりと息を潜めた街にも時代の変化の波は訪れるもので・・・・
ボクが知っているここ数年だけでも、随分と街並みが変わりました。
駅は高架化され、次々と新築マンションが建設されました
古い家屋が壊され区画化されたかと思うと、いつの間にか分譲住宅が完成しています。
妻のおじいちゃんが亡くなって、しばらく一人で暮らしていたおばあちゃん
1年前、長年慣れ親しんだこの家を離れ、近くのマンションに引越しました。
建物は老朽化していたし、階段は急だし、お年寄りが一人暮らしをするには
今のマンションの方が明らかに安全で快適です。
家主を失い残された隣家は、この1年でボクらの暮らしの一部になっていました。
家の前庭を通り、
隣家との境目の扉を開け、
敷石を進み、
隣家の門扉から外に出ると
・・・目の前に息子の大好きな小公園
自分の家の門よりも利用頻度が高かった秘密の抜け口。
隣に空き家があることを怖いと感じたことは一度もなく、
おじいちゃんやおばあちゃんの息遣いが感じられそうで、むしろ守られているような感覚でした。
解体工事はある日突然始まりました。
静かな街に突如現れたショベルカーや大型トラック。
大地を揺るがす震動と「メリメリ」「ガッシャーン」の大音響。
息子は間近でみる働く車
に大喜び、窓にへばりついて作業に食い入ります。
息子が喜ぶものだから、初日はボクもつられておおはしゃぎ。
「すごいね~!見た見たー?」と。
「そういうところ、無神経だよね…」妻がチクッ。
妻やグランマにしたら、思い出があまりにたくさん詰まった家。
家族が集い歴史を作ってきた空間が無惨に壊される様子に、ワクワクと楽しい気分なわけがありません![]()
「そうだよね…」
言われてはじめて、壊されゆく家の姿に何とも言い難い、もの悲しさを感じたのです。
ボクはもともと合理的なところがあり、不要なものはすぐ捨てる、
不便さを嫌い利便性を追求する、妻いわく「執着の少ないタイプ」。
妻は普段はさばけているわりにノスタルジック、物にも人にも思いを込めるので
捨てたり絶ったりできない「義理人情タイプ」。
妻と一緒にいるようになって、ボクはだいぶ感傷的な人間になりました。
本日、終盤を迎えた解体工事を、何ともいえない心持ちで眺めています。
通りの先には新築の家
夢のマイホーム、建てる時は誰もが笑顔。
真っ白な壁紙や傷一つない床板。
ここを一生の住処とする若き家族によって、歴史が刻まれる瞬間を待っています。
流れる月日の中で、家族は泣いたり笑ったり、
新しいメンバーを迎えては見送りながら、最後の最後まで家族を見守ってきた家。
家主であるおばあちゃんの代わりにボク達が、最後の瞬間をしっかり見届け、
心からの「ありがとう」を伝えます。
時は流れるもの。
子どもは成長し、やがて巣立っていきます。
そして、形あるものは必ず塵にかえる、望もうが望むまいが。
だからこそ、今この瞬間を大切に生きるのですよね。
妻から流れてきたノスタルジーの波に、ゆらりゆられた今日1日・・・
すべて更地になったら、今日の気持ちはしばし心の奥底にしまい、
ボクらの開拓の歴史
がスタートです!
敷地の三分の二は売りに出されますが、我が家に接した三分の一は残ることに。
好きに使っていいということなので・・・
庭と菜園づくり
を計画中!
この土地に生きた、家族の思いを栄養にして
立派な花と実を育てよう
(長々と最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
開拓日記も、がんばります
)
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