職業訓練校に行くには、一応入試の様なものがあり、一般常識的なテストと面接があった。


まさか四十を超えて因数分解とかのテストをする事になるとは思ってもみなかったが、学科試験は適当にやって、面接で熱意を伝えれば入れると意味のわからない自信だけ有った。


そして無事職業訓練校に入れる事になり、半年間失業手当を頂きながら無料でリフォームを学ばせていただけることとなった。


とはいえ、失業手当の支給額は前職の50%という事で、普通にやっていては生活は出来ない。


僕に仕事を辞めさせたらどうなるかは妻も理解していたので、足らずの生活費を妻が稼いでくれる事になった。


職業訓練校って失業者がどんよりとして通っているイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、通っている人達の社会人経験値は高く、みんなの経験を活かせば面白いビジネスが出来ると思える程多彩な人達が集まっていた。


訓練校に通いだして2ヶ月ほど経った頃、携帯電話に社会人になって最初に勤めた会社で一緒に働いていた人(以後K山さん)からの着信歴があった。


訓練校の休憩時間に電話してみると


K山さん「天野くん、久しぶり! ちょっと人から聞いたんだけど、珈琲屋するんだって?場所はもう決まったの?」


私「それが、場所が見つからなくて、今職業訓練校に通ってるんです。」


K山さん「ちょうど良かった!うちのお店が空いてるから、良かったらうちでお店しない?」


あれだけ探しても見つからなかったお店をする場所が、あっさりと見つかった瞬間だった。