元々仕事が好きで、頭の中は家族の事より仕事の事が多かったし、休みの日でも仕事の連絡が入ったら家族との予定を変えても対応していた。


仕事を辞めてお店したいと時々妻に話していたが、大した準備も無くズルズルと時間が過ぎていた。


ある日の晩、家族会議事になり「今後貴方はどうするのですか?」と妻に問われた。


「いずれは会社を辞めてお店をしたいと思ってるけど、未だ準備が出来ていない」と僕は答えた。


「5年前と殆ど変わってないよね?」と妻は言った。


確かにそうだったが、仕事事で頭がいっぱいで準備する余裕がない事を説明した。


当時、娘が生まれてからの子育てはほぼ妻に任せていた。


「仕事ばかりしてたら、子供旬の時期を一緒に過ごせないよ、家庭の事も少しは考えて欲しい」と言われた。


「家庭の為に一生懸命に稼いでいるのになんで?」と聞いたら返ってきた言葉に衝撃を受けた。





「家族を犠牲にしてまでやらないといけない仕事ってあるのかな?」





しばらく無言になりこの言葉の意味を考えた。


お金が無いと生活出来ないからと一生懸命に働くことが、家族を犠牲にしている。


家族の為にと働いているのに家族が犠牲になっている


確かに今している仕事じゃないと家族を支えられない訳ではないと思った時に「それなら今の会社辞めるよ」と妻に言っていた。


翌日、上司に「会社を辞めます」と言い、退職願いを渡した。


上司からは「次は何するのか決まっているの?」と聞かれたので「はい、珈琲屋を始めようと思ってます」と答えた。


引き止められないように答えた言葉だったが、何も決まって無かったし、当然具体的な準備もしていなかった。


上司に辞めると伝えた事を妻に伝えると「辞めると言った事で、これから色んな事が動き出すよ」と言われた。


その後は妻の言った通り自分の取り巻く環境にいろんな変化が起こり始めた。


あの日の妻の言葉は自分の人生のベクトルが大きく変わった瞬間だった。



「家族を犠牲にしてまでやらないといけない仕事ってあるのかな?」