今週に迎えるは皐月賞。1番人気はヴィクトワールピサになるでしょう。
この馬の場合は2歳チャンピオン決定戦の朝日杯FSを使わずにラジオNIKKEI杯2歳Sに出走し優勝。デビュー戦こそ、ローズキングダムに敗れたものの、その後は4連勝しているだけにその人気も当然でしょう。
もちろんこの馬の強さはわかっていますが、正直、いくつか気になる点がございます。
まずは武豊騎手の落馬負傷に伴い岩田騎手がテン乗りとなることです。この皐月賞でテン乗りで優勝した馬は過去10年で3頭いるのですがそのうちの2頭は外国人騎手によるもの。残りはヴィクトリーの田中勝騎手だけ。
もちろん、強い馬であれば誰が乗っても勝てるのでしょうが、やはりレースで一度乗っているのと乗っていないのでは大きな差があります。
そしてその乗り替わる岩田騎手ですが、もちろん超一流の騎手だと思いますが、プレッシャーが少し心配です。と、言うのも岩田騎手はそれまでこのヴィクトワールピサと同じ角居厩舎のルーラーシップに騎乗していましたが残念ながら皐月賞出走は叶いませんでした。
その上で突然の今回のヴィクトワールピサの騎乗ですから、どんな名手だとしても平然としている方が不思議な話しだと思います。さらに、角居厩舎に騎乗した岩田騎手といえば最近…
ダービー卿CTにて1番人気トライアンフマーチ(10着)、伏竜Sにて1番人気エアウルフ8着、毎日杯にて1番人気ルーラーシップ5着と人気に反する結果が続いています。
3つ目は時計の問題。レースは異なれど1800Mも2000Mも記録上、ヴィクトワールピサより速い持ち時計を持っている馬が複数います。
が、ここで言いたいのは時計そのものではありません。その時計でも分かるように近走、最後の最後まで目一杯に走ったことがない点です。
騎手は勝てるとわかれば最後まで目一杯に追わないのはよくあること。
実は、デビュー戦で楽勝した馬が2走目でムチを入れたり、目一杯に追われると、これまで見せたことのないモロさを見せて負けてしまうのです。
馬は学習する動物ですが、逆に言うとここ近走のヴィクトワールピサは着差は僅かでもレース内容は楽勝で、それ故に目一杯におわれたことがなく最後は押さえ気味、仕掛ける程度のレース。それを学習してしまっていれば、最後の最後になって叩き合いになった際に不安が残ります。
4つ目は、先週から十分すぎるほどに臨戦態勢にあり、むしろ気持ちが乗りすぎているとのこと。今回が最大の目標であればそう問題はないのですが、これだけの馬が次のダービーを狙わないはずもありません。
そのダービーに向けての余力を考えると、ちょっと中間から気合が乗りすぎているのは気になります。前回の弥生賞では輸送でマイナス8キロ。これ以上ハードに追うとさらにテンションがあがるでしょうし、ダービーを前に、いくら皐月賞がGIだからといって究極の仕上げは今回してこないでしょう。
最後はその脚質です。まあ、これは逃げとか追い込みとか極端な脚質でない限り、どの馬にも該当する話しになりますが、フルゲートの18頭のレースにて何が起こるかはレースが始まってみないとわかりません。
しかし1番人気である以上、マークもされるでしょうし、1頭で競馬するのではない以上、進路が狭くなるようなこともあります。
これが逃げ馬だったり、あるいは大外をぶん回して勝てるような馬であればともかく、どうも自在性がある馬だけに不安が残るのです。
良く皆さんも新聞などで「自在性のある馬だから、スタートしてみてからレースの状況に応じて走らせたい」といったコメントが載っているのを目にしたことがあるでしょう。
しかし、GIともなると一瞬の判断が命取りになることもあり、桜花賞のアプリコットフィズなどでもレース後に小島調教師は「横山典騎手が最後に内と外のどちらに出すか一瞬迷ったところがあった。外に出していれば違っていたかもしれない」といった話をしているようですが、まさにそれです。
今回は岩田騎手がテン乗りだけにそんなことはないと思いますが、枠順が決定後に、しっかりとどのように走るかを決めてレースに臨む必要があると思います。
まあ、あれこれと言ってきましたが、それも1番人気となる馬だからこそであり、決してヴィクトワールピサに負けて欲しいなどとは間違っても思ってはいません。
皐月賞に出走する全ての馬が全力を出し尽くすことができるレースとなることを祈っております。