~オーナー・サイダーの傾向~
単純に強い馬が勝つ!東京競馬場で仕込まれた“ヤリ”は信頼度◎
東京馬主会に所属しているオーナーは都内に本業の本社がある場合が殆どだ。それもあって中山でも“ヤリ”が仕込まれる場合が多い。オーナー・サイダーは「お膝元=ヤリが仕込まれる可能性が高い」との考えで狙い馬を導き出す馬券術だけど、東京競馬場は“東京”と言ってもかなり西寄りに位置している。一方、中山競馬場は千葉県にあるが都心からのアクセスは楽だから、多くの馬主さんは東京・中山の成績に大差はない。
しかし、ケイアイのようにお膝元の東京で“ヤリ”が仕込まれる頻度が高い馬主さんもいる。その理由は様々だが東京はコース幅が広くフェアな競馬場だから、能力をフルに発揮できる可能性が高い。後述する中山は対照的に小回りのトリッキーなコースで、また枠順の有利・不利も大きい。勝負馬を仕込んでも取りこぼす可能性は東京より高いから、中山コースを避ける調教師が多いのも事実だ。
競馬界では「最も速い馬が勝つのが皐月賞。運のいい馬が勝つのが日本ダービー。強い馬が勝つのが菊花賞」と言われているけど、それは牡馬クラシック限定の話であって、基本的に東京は適性云々を抜きにすると単純に
強い馬が勝つ
コース。
~馬主別解説~
・啓愛義肢材料販売所(ケイアイ) ヤリ度【S】
代表馬 ケイアイテンジン、ケイアイスイジン、ケイアイライジン
本業は医療用品(義足)を販売する製造業。所属する東京競馬場では頻繁に“ヤリ”が仕込まれ、過去3年のトータル成績は【17-13-7-70】。またケイアイ軍団最大の特徴として芝レースは【2-3-1-25】に対し、ダートは【15-10-6-44】とハッキリとした傾向が出ている。これはオーナーの好み(?)でダート血統の馬ばかり所有しているからと思われ、お膝元の東京でも芝は軽視してダートで分厚く狙うのが鉄則だ。
その中でも美浦の尾形厩舎は【5-2-1-4】、栗東の白井厩舎は【5-3-1-3】と勝率4割、連対率でも5割オーバーと驚異的な成績を残している。
・高橋光、京子(ヒカル) ヤリ度【A】
代表馬 ヒカルオオゾラ、ヒカルカザブエ、ヒカルマイステージ
夫の名前である「ヒカル」で冠名を統一している。本業は神奈川県横須賀市で不動産業を営む「かつ七興産」代表。ヒカルオオゾラで2年連続エプソムC2着を始め、東京では過去3年で64戦して複勝率45%と2回に1回弱馬券に絡んでいる計算だ。また高橋夫妻に限らず東京馬主会に所属して神奈川県or東京西部に本社があるオーナーは、中山と比べ東京の方が成績は良い傾向がある。
これはアクセスの問題で神奈川県の馬主さんが中山競馬場へ来場しようとすると、都内を横断しなければならない。それに引き替え東京競馬場がある府中市は目と鼻の先だし、厩舎サイドでも『馬主が来場しやすい東京で勝負馬を仕込もう』と考えるからと思われる。これは後述する中山・京都・阪神でも同様のことが言えるので、馬主の本業所在地を覚えて損はない。
・渡邊隆 ヤリ度【A】
代表馬 ハンソデバンド、エルコンドルパサー、オフサイドトラップ
ジャパンC・NHKマイルCを制し凱旋門賞でも2着したエルコンドルパサーの馬主として広く競馬ファンに知られているが、それ以外にもオフサイドトラップで天皇賞(秋)を制するなど、活躍馬の実績は東京に集中している。父・渡辺喜八郎氏は東京馬主会の理事を務めた人物で、本業は都内で複数の会社を経営している社長さんだ。
近年の所有馬は大レースに縁が薄いものの、それでも東京では過去3年で【8-8-4-45】勝率12%、連対率25%、複勝率31%。比較として中山での成績が【5-5-8-33】なので、数字からも東京で勝負馬が仕込まれているのが伺い知れるだろう。今年はハンソデバンドというオーナー期待の1頭が誕生したし、エルコンドルパサー以来のお膝元の東京で悲願の重賞制覇があるかも知れないな。
・アポロサラブレッドクラブ、菅原太陽(アポロ) ヤリ度【B】
代表馬 アポロドルチェ、アポロダウィンチ、アポロノサトリ
菅原太陽オーナーは東京都八王子市で建築会社を経営しており、京王杯2歳Sで出遅れて直線だけでブッコ抜いたアポロドルチェを筆頭に、お膝元の東京で“ヤリ”は半端じゃない。ただ、注意点としてこの馬主さんは勝ち切れない(※大人の事情でこんな表記になった)馬も目立つ。
アポロラムセスの昨年末までの成績は2勝・2着11回・3着5回、アポロダウィンチも4勝・2着4回・3着4回と、人気での“取りこぼし”も多い。
~主な東京ご当地馬主~
・西山茂行(ニシノ・セイウン)・国本哲秀(ショウナン)・西川恭子(カフェ)・阿部雅一郎(ヒシ)・藤田在子(マルターズ)・久米田正明(ロジ)・田邉久男(ジョウテン)・猪熊広次(バローズ)・諸江幸祐・大原詔宏・東京HR(レッド)