中京競馬場 ~オーナーの傾向~

コース改修も関係なし。尾張名古屋でご当地馬主が“ヤリ”を連発!

今年の春から中京は改修工事に入るが、ご当地馬主の“ヤリ”に変わりはない。中京はオーナー・サイダー的にJRA全10場で最も馬券のハメやすい競馬場だからだ。

その理由は東京・大阪に次ぐ大都市・名古屋での開催にも関わらず、JRAは「ローカル開催」に位置付けている点。JRAでは「500万クラスの6歳1勝馬は中央開催に出走してはならない」という規定があるが、これは裏を返せば『6歳になっても1勝しかできない弱い馬はローカルに行きなさい』と言っているに等しい。すなわち、中京を含む小倉・福島・新潟・札幌・函館のローカル開催は「弱者救済」的な意味合いが濃い。

それだけにローカル開催は中央では力が足りない1枚落ちのメンバーで行われるが、その中にご当地馬主が仕込んだ“ヤリ”馬が出走すれば勝負度合いは歴然。中央開催とは比較にならないほど勝つ確率は高い。コースが全面リニューアルされようが名古屋在住の大物馬主達の“ヤリ”は決して無くなる事はなく、オーナー・サイダー的にはドル箱競馬場のままに違いない。

馬主別解説

・土井肇(ヤマニン)ヤリ度【S】
 錦岡牧場の代表として競馬ファンに広く知られている大物馬主。本業は愛知県で複数の会社を経営している名古屋の有力者。お膝元の中京では頻繁に“ヤリ”が仕込まれ、過去3年の中京成績は【9-10-1-52】。阪神での成績が【0-3-4-48】だけに、数字からも中京で“ヤリ”の凄さが伺い知れる。さらに中京でヤマニンの関東馬は【0-0-0-22】と全く馬券に絡んでおらず、それを省くと勝率18%、連対率38%まで上昇。また関西馬でも浅見厩舎は【4-6-0-9】勝率21%、連対率52%と驚異的な数字を残している。

土井オーナーはヤマニンパラダイス、シュクルとG1馬を育て上げた浅見厩舎に絶大な信頼を寄せています。厩舎でも“大恩ある土井オーナーの為に”とお膝元の中京開催ではビッシリ仕上げてきますし、しかも鞍上が厩舎所属の田中健騎手なので人気になりにくい。

・東豊物産(トーホウ)ヤリ度【S】
 名古屋で自動車部品を製造している東豊グループの中核会社。代表を務める高橋照男オーナーの地元意識は強く、かつて交流G1東京大賞典を制した岩手の英雄トーホウエンペラーを厩舎サイドに強く働きかけ、名古屋大賞典に出走させて勝利したのは有名な話。さらに中日新聞杯をトーホウアランで制しているが、この際は短期免許で来日中のルメール騎手を配してミエミエの“ヤリ”だった。過去3年の中京成績も【6-3-5-36】と勝率12%、連対率18%と出走数の割に好成績を残しており、

東豊物産は看板馬に合わせて中京以外の競馬場でも“多頭出しヤリ”が仕込まれるケースが目立ちます。トーホウアラン・トーホウドルチェが出走してきた際は、同日の他レースを調べてみて下さい。大概何頭か使って馬券に絡んでいる。

・後藤繁樹 ヤリ度【S】
 サニングデールで地元・名古屋で行われる唯一のG1・高松宮記念を制したのを始め、現在の看板馬アーバンストリートは中京で3勝をマーク。本業は愛知県に本社を置く「秋田運輸」の社長。またヤマニンの土井オーナーと同じく、北海道に生産牧場「レキシントンファーム」を所有している。過去3年の中京成績は【8-4-6-57】勝率10%、連対率16%と数字上はさほどでもないが、『中山ご当地馬主の大城オーナーと同じく、お膝元ではバンバン使ってくるのが特徴。

09年最終日のように、看板馬アーバンストリートに合わせた“多頭出しヤリ”。これならインサイダー情報が無くても勝負掛かりが分かると思います。ちなみに後藤オーナーの馬主協会所属は京都だが、オーナー・サイダー的には「お膝元=勝負が仕込まれる可能性が高い」との考えで中京に加えている。

・永井啓弐(スズカ・ミスズ・サンレイ)、永井商事(スリー)、・永井康郎(メルシー)ヤリ度【S】
 永井商事は本業の会社名、永井康郎氏は親族でナンバー2と目される人物なので、ここでは一緒に紹介する。永井啓弍オーナーは「トヨタカローラ三重」ほか、複数の関連会社で代表取締役会長を兼任。また中京馬主会の会長を務めており、名古屋の経済界では知らぬ者がいないほどの超大物。それだけに地元・中京に対する拘りは尋常ではなく、過去の看板馬スズカフェニックス、サイレンススズカの戦績を振り返れば説明不要だろう。中京開催時はかなり高い確率で来場しており、それに合わせて勝負馬が仕込まれるのが通例。しかし、過去3年の中京成績は【10-9-8-119】勝率7%、連対率13%と、四天王では最も低い。

小倉ご当地馬主のテイエムと同様に、これだけの馬主さんになると義理で走らない馬を購入するケースも多いんです。頻繁に“ヤリ”が仕込まれるので本来は文句なしに四天王筆頭なのですが、勝負馬の見極めが難しいです。馬券的には調教で普段より速い時計を出していた時は、人気の有無に関わらず注意が必要かも知れない。

・畑佐博 ヤリ度【A】
 主な代表馬がスピニングノアールだけなのでAランクに留めましたが、中京で仕込まれる“ヤリ”の精度は四天王に勝るとも劣りません。本業は愛知県春日井市の建設会社「畑佐興業」の社長。看板馬スピニングノアールの戦績を振り返ると尾張S(OP)、08年CBC賞2着、09年同3着、07年テレビ愛知OP2着、09年同3着と、オープン昇級以降は中京でしか馬券に絡んでいない。それ以外にもゲバルトステイヤーが中京で3戦して2勝・3着1回ほか、過去3年の成績は【3-3-4-22】連対率19%、複勝率は31%と高い数字を残している。また現在JRAでは10頭程度しか所有しておらず、京都のダイシンと同じく“ヤリ”が見極めやすい。

・中野銀十(パープル)ヤリ度【B】
 サンプルこそ17戦と少ないが過去3年で連対率23%、複勝率35%とお膝元の中京で好成績が目立つ。本業は名古屋に本社がある電気部品製造会社「ネオフレックス」の社長。主に栗東の飯田雄三、境直行厩舎に預託しており、比較的人気にならないのが特徴。飯田雄厩舎は中京だと赤木騎手の起用が多いですが、このコンビは中京では信頼に値します。ヤマニンの田中健騎手と同様にオイシイ馬券が期待できます。中京で[パープル×飯田雄厩舎×赤木騎手]のコンビは必ず押さえておきたい。
 
・加藤守、加藤久枝、加藤千豊 ヤリ度【B】
 加藤守オーナーは中京馬主会・副会長を務める重鎮。本業は名古屋で複数の店舗を経営している地元の有力者であり、お膝元の中京では勝負馬が仕込まれる。特に人気薄での“ヤリ”が目立ち、守オーナー名義のグランドラッチが500万を勝った際は5番人気、久枝オーナー名義のディビデンドの500万勝ちも7番人気でのものだった。