続 そ 夕
   け う 方
   ざ に た
   ま こ ば
   に や こ
   こ か を
   う に 買
   い 説 い
   っ 明 に
   た。す 行
     る っ
     ヤ た
     ス ん
     タ で
     ン す
     氏。よ。

………………………



  ヤ お だ 財
  ス 札 か 布
  タ か ら、を
  ン ら   開
  氏 い   け
  は い   た
  う で   ら
  ふ す   小
  っ か   銭
  と っ   が
  思 て   な
  い 聞   く
  だ い   て
  し た   ね
  笑 ん   !
  い で
  を す。
  し
  た。



…………………………



  そ し 一 は
  の ぶ 万 あ
  と し 円 い
  き ぶ 札 っ
  の 千 を て
  店 円 渡 店
  員 札 す 員。
  が で と
  奇 お 五
  異 つ 千
  だ り 円
  っ を 札
  た 了 が
  と 承 な
  い す い
  う る。と
  ヤ   店
  ス   員。
  タ
  ン
  氏。



………………………



   も な い
   う ぜ ち、
   さ か に
   さ 店 い、
   や 員 さ
   き は ん
   声 数 っ
   に え て
   し る 枚
   か に 数
   聞 従 を
   こ い 数
   え 声 え
   な が る
   い 小 店
   し 声 員。
  (笑)に
     な
     っ
     て
     い
     く。



……………………



   い ま い
   に る や
   ひ で い
   そ ス や
   ひ ナ 枚
   そ ッ 数
   声 ク は
   に の き
   な 隣 ち
   ら の ん
   な 席 と
   く の 伝
   て 姉 え
   も ち て
   っ ゃ く
   て ん れ
   思 が と
   う 秘 願
   ヤ 密 う
   ス を ヤ
   タ 語 ス
   ン る タ
   氏。み ン
     た 氏。
  

……………………



   紛 め で
   れ が も
   も ね す
   な の ご
   く 奥 く
   お の に
   っ つ こ
   さ ぶ や
   ん ら か
   の な な
   く 瞳。店
   せ   員。
   に
   と
   思
   う
   ヤ
   ス
   タ
   ン
   氏。


……………………




   や ひ お
   っ や つ
   ぱ っ り
   り と を
   め す 渡
   ち る す
   ゃ ヤ と
   お ス き
   っ タ め
   さ ン ち
   ん 氏。ゃ
   の   手
   く   を
   せ   握
   に   っ
   と   て
   思   き
   う   た
   ヤ   店
   ス   員。
   タ
   ン
   氏。



………………………



    た
    だ
    め
    ち
    ゃ
    つ
    ぶ
    ら
    な
    瞳
    は
    紛
    れ
    も
    な
    く、




………………………






    お
    か
    ま
    さ
    ん
    だ
    っ
    た
    !




………………………





    そ
    う
    気
    づ
    い
    て
    微
    笑
    す
    る
    ヤ
    ス
    タ
    ン
    氏
    で
    あ
    っ
    た。


(笑)


「わたしね、小さいとき、知らないおじさんに会ったことがあるのよ。聞いてくれる?」

「もちろんかまわないよ」

そういうとほっとしたように彼女は続けた。

「そのおじさんは公園で遊んでいるわたしに声をかけたの」

「ふうん、あやしい人だね。小学生のときかい?」

「ううん、まだ小さいころ、五歳か、六歳ね。砂場で遊んでいると声をかけてくれたの。ママはどうしたんだいって」

「ますますあやしいおじさんだね」

「だけどただ一緒にお城を作ったりして遊んでくれただけなの。ママはそのうちくるって話したけどただそのまま砂を固めたりして遊んだだけなの。わたしどろんこになるの平気だったし、おじさんは優しい顔をしていたわ」

「なにもなけりゃよかったさ」

「うんなにもなかった。大人が想像するようなことはなにも」

「それはなによりさ。それで話が終わりじゃないだろ?」

「そう、終わりじゃないわ。おじさんは旅の終わりにここに来てみたかったといい、わたしにピアスをくれたの」



旅の終わりだって!



「たしかに旅の終わりだといったわ。でも今のわたしにはよくわかる。わたしも旅の終わりにここに来たかったの。時間を旅行してあなたに会いに来たかった」

わたしは改めて娘をみた。

娘のなかに妻がいる。

ユウコがそこにいた。

「じゃあ君はまた去っていくのかい?」

「うん。でもよかった、最後にあなたともう一度会えて嬉しい」

「ずっといてほしいよ。ずっとずっと君のこと、愛してる。これからもたくさん話がしたいんだ。まだぜんぜん足りないんだよ。娘だって寂しさを我慢していたんだよ」



『娘だって寂しさを我慢していたんだよ』


サチコの耳のピアスがきらめいていた。


サチコは母親に似てきていた。


姿も好みも

口癖も

だけどサチコはサチコなんだ。


大切な娘だ。


妻はわたしの気持ちをさとったのか

瞳を潤ませていった。

「神様はわたしたちを夫婦に選んでくれたの。感謝してる。でも時間がもうないみたい。さよならを言わなきゃ。ごめんね」


「だけどぼくは」

わたしは続きの言葉を呑み込んだ。

代わりに別なことをきいた。

「いつからサチコのなかに?」

「朝よ。目が覚めたときに。もちろん娘が起きた時よ」

「そうかオシャレはそうなんだ」

「うふふ。ありがとう。またわたしを見つけてね。こんどは病気なんかしない丈夫な体で生まれてくるからそのときはよろしくね」



病気だって!


妻はたしかにそういったんだ。


妻はテーブルを立つと

コーヒーのおかわりを作りに行った。

だけど振り返ってみるその瞳は

妻が抜け出た娘の瞳だった。

「パパにもおかわりをいれてくれないか?」

娘は不思議そうに首をひねった。

「パパ、まだコーヒー口にもしていないじゃない!」



わたしはコーヒーカップをのぞき込んだ。

たしかに娘がおいた位置からなんら変わっていなかった。





わたしは一つだけなにがなんでも

忘れないことを頭に刻みつけた。



『人はいつか死ぬという宿命は変えられないけど、運命は変えられる』



わたしはいつかこの世を去ると、妻のもとへ旅の終わりに出かけたのだ。

その妻は旅の終わりにわたしのもとへ訪れた。

だがしかしわたしが知っている歴史とは少し違うと思う。

わたしの歴史では妻は事故で亡くなった。病気ではない。

妻の宿命は若くして死ぬということだったのだろうか。

それでも運命は違うと思う。

わたしはまだ生きている。

これからたくさん幸せをつかむのだ。

そしてこんどこそ

わたしの旅の終わりの時は



変えてみせると

胸に誓った。




わたしの無限に続く

宿命というリンクにかけても

妻の命は守りたい


たとえこの身が

滅びても。






















☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



寒々しい冬の下

我が家は暖かかった。


妻が鼻歌を歌いながら

リビングに入ってきた。

手には花瓶をもちながら。

たくさんのバラが輝いている。

「機嫌がよさそうじゃないか」

よそ行きのおしゃれな服装

耳にピアスがきらめいている。

「だってクリスマスですもの。それに娘がフィアンセを連れてくるっていうんですもの」

「娘からのとんだクリスマスプレゼントだな」

「そうよ。よりによってこんな特別な日にでしょう」

我が家ではクリスマスが特別なわけが他にもある。

妻の病気が完治して五年目をむかえた。

病気に気づいたのはちょっとした事故が原因だった。

買い物帰りに妻は交差点を渡ろうとした。


その時

左折してきた車に衝突したのだ。

だが接触が弱かったのか、軽い打撲ですんだ。

念のために病院で検査をしたところ

初期のガンが発見されたのだった。


妻はサラダボールをたんと

テーブルに載せると

ワインのオープナーを

引き出しから取り出して、用意されている

ワインの横に置いた。

「あとで乾杯しましょう」

そういってまた昼食の準備を進めた。



新聞を手にすると、トップの一面には

内閣不信任案の可決の記事が躍っていた。

新しい時代の到来かと思われた。


わたしは新聞をおいて

軽く瞳を閉じていた。

夕べの残業がこたえたのか

疲れが残っているようだった。

その時ふいに目隠しをされた。

「だれでしょ!!」

妻はいたずらが好きだった。

娘にも同じような目隠しを

声音を変えて楽しい調子で

ソファの背後から忍び寄り

分かりきっていても

屈託ない笑顔で今回も

繰り返した。

「サチコかな」

わたしも素直じゃなかった。

「ハズレよ。ヒントはあなたの初恋の人」

「ふう。難問だな。外したらひどい目に遭いそうだ」

耳元からクスクスと妻の声がした。

歌うように妻はいったものだ。

「『ぼくたちは出会うために生まれてきた』」

「うまいこというじゃないか?」

「なにいっているのよ。あなたが口説いたセリフじゃない!」


女とはふいに投げかけるものだ。

永遠の誓いの言葉を

生まれたての赤子を

扱うように優しいまなざしで。


いつだって

どんな女性も

どんな歴史でも

そんな気がした。



「もう一度いおう。ぼくは君に会うために生まれてきた。ユウコ、愛してるよ」



妻はその手を首に巻きつけ

頬にキスをしてきた。



「ありがとう。わたしもあなたに会えてよかった」


妻はそれから初めて語った。

「あなたに一つ話していないことがあるの。あの交通事故のとき、たぶん誰も信じてくれないと思ったからいわなかったけど」

「どうしたんだいいまさらそんなこと、ぼくは君が元気になったんだからなにも気になることはないんだよ」

それでも妻はどうしても話したかったのだろう。


「あのね、あのとき、あなたの声がしたの。交差点で信号が青になったから渡ろうとしたとき、『危ない戻れ』って。一瞬ためらって気のせいだと思って渡ったとき事故に遭ったのよ。信じればよかった。だけどあなたはあの日出張でいなかったはずなんですもの。それにそれにわたしなんていっていいのか!」


妻の言いたいことがよくわかった。

わたしはテーブルの下の体を眺めた。

くしくもわたしたち夫婦は

同時刻に事故に遭遇したのだ。

わたしの場合は自分でもよくわからないのだが、体がよろめいてエスカレーターを転げ落ちてしまった。

以来わたしの右足は思うように動かなくなり、杖が必要となった。

「わたしね、ずっと思っていたの。これは神様からの贈り物じゃないかって。幸せはね、常にあるんじゃなく、常にあるようにささやかだけど努力も怠っちゃダメだっていうシグナルじゃないかって。わたしはあなたが幸せにあるようにしていきたいの。あなたに出会えてよかったって心から思っているの。あなたがくれたピアス、今でも大切にしているのよ」

わたしも妻にずっと語れなかった話をした。

「ぼくは怪我をしたとき、無くしたものに気づいたんだ。だけど不思議なんだよ。お店にも問い合わせたけどそういうことはあり得ないと信じてくれなかった。君の事故のこともあって、うやむやになってしまい、ところが君からピアスの話を聞いたとき余計になにも言い出せなかったんだ」

「どういうことなの?」

「君は事故に遭ったとき、プレゼントのピアスがこっそり上着のポケットにしまい込まれていて、それが道路に飛び出したんだって思っていたようだけど、ぼくも話に合わせてそうだよといってしまったんだけどそれは実は違うんだ。ぼくは自分の鞄にまだ入れていたんだ。デパートの宝飾店から出てすぐの事故だったんだよ」

「でもあなたの贈り物に間違いないんでしょ!!」



間違いなくわたしの贈り物だろう。

『まるでもう一人のわたし』が

届けたように、

妻の命を必死で

守ろうとする意志を

感じてやまなかった。




あのとき、わたしは妻への贈り物の箱がつぶれてしまったので包装を解いた。

蓋を開けてみたがそこにはなにも入っていなかった。

妻からピアスを拾ったことを聞かされる。



神様からの贈り物か。

いまなら、わたしもそう信じてみたい。



「乾杯しましょうか」

「そうだな。我が家にもサンタさんが来てくれたらいいな」

「来るわよ。イケメンのお医者さんですって!!」

妻は娘の彼氏を楽しみにしていた。


わたしはこの妻の手のぬくもりが


これからもたくさん幸せを


運んでくれることを願っている。




そして妻にそっと

ささやいた。


「ぼくと結婚してくれてありがとう」



ぼくはこれからも

君を守りたい。


永遠に……。




終わり


(^0^)/ウフフ



娘が鼻歌を歌いながら

リビングに入ってきた。

手には花瓶をもちながら。

一差しの白い百合が小首を

かしげていた。

「機嫌がよさそうじゃないか」

よそ行きのおしゃれな服装


耳にピアスがきらめいている。


「お友達がくるの。パパにも紹介するね」


「どきりとするようなパターンじゃないだろうな」


わたしは暗にフィアンセという


言葉が頭に浮かぶ。


がすぐにかき消した。


娘がさらりとコーヒーを


差し出したからだ。

豆を選んだのはこのわたしだが

そのコーヒー専門店を紹介したのは

一人娘のサチコだった。

彼女が淹れたコーヒーは実に旨い。

サチコは母親似でコーヒーが好きで

わたしに似てミルクを

たっぷりかける。

私はコーヒーを感慨深げに味わった。

「まあいいんだけど、彼氏ができたら

すぐに紹介する約束だけは守ってくれよ」

サチコはサラダボールをたんと

テーブルに載せると

ワインのオープナーを

引き出しから取り出して、用意されている

ワインの横に置いた。

「これはママのぶんね」

そういってまた昼食の準備を進めた。

たしかに今日は特別な日なのだ。

ブルゴーニュ産のワインは

妻のお気に入り。

わたしはトスカーナ産のデザートワインが

もともと好みだったのだが

今では妻の好みがわたしの好みになっていた。

オープナーでワインを開ける。

妻の産まれた年のワイン。

わたしは妻にもこれを

呑ませたかった。

娘が紹介したい友達とは

どんな人物だろう。

学生になり交友範囲も広がった

春先から娘は背伸びをしているようにも

見えるし、わたしがたんに子供扱いして

真正面からとらえていないだけかもしれない。

ともかくいえるのは娘が


わたしよりも世間には疎くないと


いうことだ。


新聞を手にすると、トップの一面には

内閣不信任案の否決の記事が躍っていた。



そう特別な日。

くしくも今日は妻の命日にあたる。

3年前妻は交通事故で死亡した。

自転車で買い物帰りの事故だった。





わたしは妻の席にとワインを用意した。

もちろんそこに妻が座ることはない。

それでもわたしにはそうすること

妻の空間を用意することで、

胸に空洞を作らないようにした。

まるで妻が消えたことなんか

ありえない、そう思いたかったのだろう。

思い出に変え、思い出話ができるまで

娘にもわたしにも時間が必要だった。

必要なだけ親子で泣いたし、

思いだし笑いもしたものだ。

そうするうちに、わたしたちは

失わなかったもの探しをするようになっていた。

そこかしこに妻の破片がある。

木の葉のように舞い降りた

絨毯の上の彼女の破片は

足音さえ聞こえてきそうだ。

愛しく切ない妻の足音

寂寥感が胸を締め付ける。



「だれでしょ!!」

妻はいたずらが好きだった。

娘にも同じような目隠しを

声音を変えて楽しい調子で

ソファの背後から忍び寄り

分かりきっていても

屈託ない笑顔で当時はよく

繰り返すものだった。

「サチコかな」

わたしも素直じゃなかった。

「ハズレよ。ヒントはあなたの初恋の人」

「ふう。難問だな。外したらひどい目に遭いそうだ」

耳元からクスクスと妻の声がした。

歌うように妻はいったものだ。

「女は最後の恋は忘れないけど、男は初恋を忘れないものよ」

「うまいこというじゃないか?」

「なに言っているのよ。あなたがくれた

最初の手紙じゃないの」



女とは忘れた記憶を

ふいに投げかけるものだ。


いつだって

どんな女性も

そんな気がした。



「たしかに。そんな哲学的な幼稚な発想は

ぼくしかいないな」

そういって妻の手を握り、目隠しごっこは終わらせたものだ。

まぶたの裏でわたしは妻との最後の会話が

なんだったのか思い出そうとした。

これまでだって思い出そうとした。

そのたびに挫折する。

わたしは当時の記憶が

いくつも抜け落ちていた。

楽しい思い出と事故の事実だけが

わたしの胸にただつきつけられていた。

それから不思議なことに

娘が最近妻に

見えてしまうのだ。

サチコはテーブルにつくと

コーヒーを口にした。

妻のテーブルにはワインと

サラダとわたしの皿のものよりは

小ぶりのバターで炒めた

サーモンが用意されていた、

妻の好きな朝食だ。

「ママにもコーヒーがよかったかな」

「そうね。たぶんそうよ」

サチコはテーブルにつくと

ワインより先に

コーヒーを口にした。


その時ずっと胸にあった違和感が溶ける音がした。

サチコはすでに会わせたい人を招待していたんだ。

そう、彼女は懐かしい鼻歌を歌っていた。

初めて映画に行ったときの主題歌の鼻歌を。

クリスマスイブの日にわたしがあげたピアスは

娘にあげたと話していたけれど、サチコがピアスを

つけることは今まで見たことがなかった。

「相変わらずコーヒーにはたっぷりミルクをかけるんだな」

娘は妻の席に座っていた。彼女は小首をかしげるとほほえんだ。