もう、20年くらい前の話なんだけど、

プロのかたのドラムクリニックをピンポイントで受ける機会があった。


当時、クラスメイト(?)だったA君が、同じようなジャンルのドラマーで

同年だったのでちょっと仲良くしてた。


彼はいろんなところで習ったらしい。あるプロの人(トッププレイヤーです)

から、キックについて、

「とにかく、若いうちは速くプレイする練習をしておけ」


と言われたのだそうだ。必要な筋肉を鍛えられるのは若い年代。

という、そのプロ氏の持論らしい。


自分もそれを聞いて、速くプレイするツーバス曲を追っかけていたが、

残念ながらその時には「脱力する」ことの必要性には気がつかなかった。

多分A君にアドバイスしたプロ氏のキモも、実はそこにあり、

「最も効率的な動き・筋肉の使い方をはやいうちに体得しろ。」

ということだったのだろう。しかし、当時の小生は、

結果的に<ムキになって>誤った筋肉ばかり使い、力みのカタマリになった。


たどり着くまで長い時間を費やしてしまったが、今の師匠の門を叩き、

「スピードUPイコール脱力」というフィーリングを学んだ。


最近ショットの基礎を追い込んでるが、やってる練習は「とにかく速く叩いてみる」

ということだ。それにより、余計なチカラを抜きながらスピードアップしていく。

結果的に、グリップの形がどんどん今の師匠に近づきPLAYがしっくりしてくる。

特に、この日の練習では「ここまで来たか」と噛みしめるレベルの進歩になっている。


スピードアップは遠くて高い雲をゆっくり呼吸しながら、静かにみるようなものだと思う。

ムキになることからは、おのずと離れる。