程良く冷たくなった夜風に心を傾ける。
気付けば瞼は閉じ、雑音すらも心に染み入る様に感じだす。
幾らか刻が過ぎたであろうか。
再び瞼を開けば眼前に、空。
随分と秋めいた夜空だ。
深い群青色の天に、薄く湯気が立ち昇るかの如き雲が淋しく映えている。
淡いコントラストは、まるで水墨画のニュアンス。
歩みの遅い雲よりも、揚々と形を変えながら流れる雲を眼で追う自分に、ふと気付いた。
不変なモノは無く、全てのモノは変化を遂げる。
暫くの後に、朝を迎えた。
久しぶりにG1を迎えた朝である。
高揚する気持ち。
変化を遂げた、新しい太陽が昇る。
そう思わずにはいられないスプリンターズステークスが幕を開けようとしている。
《スプリンターズステークス展望》
今年、日本のスプリント界は激動の変化を遂げた。
生粋のスプリンターたるアストンマーチャン、サンアディユの二頭が相次いで他界。
更には絶対女王と呼ばれたスリープレスナイトの引退表明。
唯でさえ衰退の一途を辿る日本のスプリント界、その頂点を決める一戦となる。
G1だけに賞金は高く、逸れを狙ってか一頭の外国馬が参戦してきた。
強い外国馬の参戦には大いに賛成である。
ただ厄介なのは、調子の善し悪しが計り辛いという点。
日本馬と違い、スパルタ的な調教をする事は少なく、逆にストレスを与えないように注意が払われる。
そうなれば調教タイム等も無いのは至極当然であり、取捨の線引きは日本の馬場への適性と陣営の本気度。
外国の馬場は力の居るパワー型であり、対する日本は、スピード型のパンパンの馬場である。
更には年間二十近く開催されるG1の中でも唯一の野芝(オーバーシードを施さない為に、芝の丈が短くクッションが弱い)。
その為に、パワー型の外国馬にはまるで不向きとなる。
それでは何故に参戦してきたのか。
答えは簡単。
先述した通り日本勢がそれだけ手薄な事の表れであり、名より実の賞金取りからすれば涎の垂れる環境なのだろう。
不安点としては、本気度。
次の香港か日本のスプリンターズステークス。
確実にどちらか一方で万全に仕上げてくるのだろうが。
次なる一手という事を視野に入れ、外国馬シーニックブラストには逆転の目まである対抗の印を打ちたい。
武豊の文字の無い、今回のG1。
本命に印するのは、天才の呼び声高い三浦皇成騎乗のキンシャサノキセキ。
調整に失敗した春の不調をオーバーホールすべく、長期休養を経て帰ってきた。
それでも外厩でしっかり乗り込まれてきたのだろう。
追い切り事態は少なくとも、万全を期した。
勿論、鉄砲もきく。
後は武者修行を終えて帰ってきた三浦皇成Jの手腕に期待したい。
テン乗りでスマイルジャックを重賞ウイナーに導いた事は記憶に新しい。
彼には世代交代の旗頭を期待したい。
単穴にアルティマトゥーレ。
前走で女王を0.4秒退けたのは峻烈。
これからのスプリント界を背負って立つ馬なのだが、あのレースの後だけに気掛かりな面もある。
激戦・牝馬・中二週・輸送…
人気は必至だろうが、不安材料は尽きない。
特注にグランプリエンゼル。
ハイペースのNHKマイルを考えれば、距離適正はある。
斤量が有利なことは言うまでもないであろう。
言及したいのは、サマーチャンピオンを狙える位置で、セントウルSに出走せずに休息を挟み此処へ照準を合わせた事。
二兔を追わなかった事が功を奏したか、絶好の状態に仕上がった。
押さえには北九州記念(野芝)で、絶好調のカヤノザクラに土を付けたサンダルフォン、持ちタイム最速のトレノジュビリー、後ろから飛んで来るならこの馬プレミアムボックス。
◎④キンシャサノキセキ
○⑦シーニックブラスト
▲②アルティマトゥーレ
×⑥グランプリエンゼル
△⑭サンダルフォン
△③トレノジュビリー
△⑪プレミアムボックス
(注)馬番や馬名等の情報はJRA発表のものを必ずご確認下さい。
ゴリ♪)`ε´(