考えていたことが現実になる

弓浜家に伝わる逸話がある。

 

庵主さんのK寺が火事になり、その小さな十一面観音さまをKS尼が背負って逃げた。

 

寺は焼けたが、国の十文化財である十一面観音さまは助かったのだという。

 

十一面観音さまを見た時に背負える大きさと思ったが女性では重かったろうと思った。

 

ところが。

 

10年ほど前に住職と話す機会があり、この話をすると違う話に摩り替えられていた。

 

十一面観音さまを救ったのは、町の名士となっていた。

 

現在、寺に安置されていた十一面観音さまは町の倉庫に保管され、年に2回のみ

 

公開されている。

 

倉庫の現管理者のご先祖が、十一面観音さまを背負って火事から救ったという

 

ストーリーになっていた。

 

気持ちの良い話ではないが真偽のほどは定かではないし、どうでもよいだろう。

 

十一面観音さまが助かったのだから。

 

問題はご本尊から外されて、倉庫で眠っているという体たらくということだ。

 

あれだけの仏様なのに、嘆かわしい。

 

何か、微力ながら出来ないだろうか。

 

そう思って住職と連絡を取ったが、詐欺や嫌がらせと思われて門前払いを喰らった。

 

私が通っていた30年前に、その住職はいなかった。まあ、無理もない。

 

地方で暮らす方々の暮らしていくに必要な防衛本能なのだろう。

 

十一面観音さまを思う度、胸が痛かった。

 

 

 

 

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