思わぬところにワクワクあり

 

ムラサキさんは家が売れて、今日が退去の日となり、残りの荷物チェックと共に

 

家で過ごす最後の時間を迎えた。

 

今日は今住んでいる施設から、外出許可をもらった。

 

新しく付き添いなどをお願いしている団体の所長さんと、今年100歳で亡くなった

 

友人のSさんのご子息と、習っていた詩吟の師匠のパール先生が来てくれて

 

ムラサキさんの家でささやかに食事会をしたそうだ。

 

Sさんが亡くなった時ムラサキさんは施設に既に入っていて葬儀にも出られなかった。

 

だから、Sさんのお悔やみや 色々兼ねての”会”となった。

 

同じ詩吟仲間のナギーさんは人工関節の手術をしたばかりで出席出来ず、他愛ない

 

おしゃべりと、なんてことの無いおやつを食べたひと時が一番楽しかったという。

 

ムラサキさんは相続対策で荻窪から引っ越して、ここでお姉さんとお母様と3人で

 

暮らしていたのだ。

 

病気のお母様を看取り、認知症のお姉さまを一人で介護した。

 

最期の恋人とも、ここで過ごし出来れば結婚したいと思っていた。結局、

 

叶う事はなかったが。

 

それでも今日のTELは、何時に無くアッケラカンとしていた。

 

「ちゃんと、持ってきたいものを持ってこられましたか?」と聞くと、

 

「ナギーさんが欲しいって言ってた真珠のネックレスと気に入ってた枕を持ってきた

 

から、もうこれで良いワ。」

 

元来本音を語らずウジウジとしているムラサキさんが寂しくなるのは これからか。

 

人の人生の仕舞い方を色々見せられて、これからを考えなければねと家人と良く

 

話す。

 

思い通りにならなくとも流れに身を任せているばかりだと思わぬ結末になる事を

 

ムラサキさんが教えてくれた。

 

家人はムラサキさんの人生に賛同はしないが甥っ子達に見捨てられ、まだまだ未熟な

 

行政の酷い仕打ちに対して身に積まされるという。

 

明日は我が身かと思うと、出来る事はしようと思うと。

 

後見団体が余りやる気がなく それでも、後見だから他人は手を出せない。

 

まだまだ日本は老人に厳しいなあと感じる日曜日。

 

今日は「ブラックペアン2」。

 

鮭のムニエルか、鶏むね肉のハムにするか?まだ考えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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