あの頃は、日常の些細な事でも深く傷ついた。
家人は、悲しみに浸らないように公的な届を熟した。何故か皆 高圧的な態度だった。
今、冷静に考えても、敏感に受け取ったわけではないと思う。
特に役所が酷かった。
返さないで良い 母の書類を、うっかり返納してしまった。大切な、母との思い出の物
だった。
区役所に「返してください。」とお願いすると、
「一度返納したものはシュレッダーにかけます。」と嘘をつかれた。
『ひどいじゃないですか!!』と言うと「アンタは頭がおかしい。危険人物。お前な
んかに絶対返さない。」と延々と、怒鳴りつけられた。
家人が掛け合うと、シュレッダーにかけておらず役所の決まりとして返せないが、
写真は撮って良いと言われて、家人が写真を撮って来てくれた。
私の地区の区役所の人は、昔からずっと誰に対しても高圧的で傲慢で評判が悪い。
だが、この度の相続放棄騒動で、戸籍謄本や住民票など取り寄せねばならず、
久しぶりに同じ区役所に行ったのだが、ホテルのコンシェルジュか?と思うほどの
低姿勢な態度だった。
もしかしたら、人事も一掃されたのかも知れない。
時代がかわり『ハラスメント』も『終身雇用』も難しい世の中になった。自分達が
エライエライと威張っても、もうどこにも通用しない。
公的な立場の人は、人々の色々な状況や思いに心を寄せるのが一番の仕事だと私は、
思う。例えそれが、書類一つ やり取りする場合だったとしても。