錆びついた標識から周囲の歩道に目をやると……やはり現在も使われている歩道とは思えない。
至る所に倒木が在り、落石だらけ。
取り敢えず標識に在る「つげ峠」は通過ポイントなのでそちらに向かうも約700mで沢崩れのため幅約15mほどが崩落しており完全に通行止め。
少し戻る事になるが仕方なくもう一方の「滑沢峠」へと引き返す。
(そちらにも同様の崩落個所があったら完全孤立状態だなあ。)
しかも携帯見たら……………け…………………圏外…。
(SOSも送れないじゃん)
嫌な汗が流れる中、祈るように道を折り返して進み始める。
倒木を乗り越え、潜り、跨ぎ、進むこと約1キロ…。
彼方に標識らしきものを発見
こ……これは!
紛れもない現在使用中であろう標識。
安堵感で15分程その場にしゃがみ込んでしまった。
この時点で体力は80%、精神力は250%程費やしてしまったので「帰ろうかな…」とも思ったが、あまりにも中途半端なGWになってしまいそうなので……ラン続行。
当初は「船原峠」あたりまでを予定していたが、こんな状態なので行けるところまで。
いきなりの急登坂を終えるとすぐに三蓋山のピーク。
この辺りで多少視界も開けて来るし、なだらかな尾根走りが出来る。
ディズニーの怖いシーンに出てくるようなブナの巨木のシルエット。
こんな「大丈夫なのか橋」を渡って進むと…。
前出、いにしえの標識にもあった「つげ峠」に到着。
まあ、きちんとした歩道を走れる喜びを噛み締めながら走っておりましたが、やはりどうにもこの辺りは難所の様子。
片側は深い谷底へと繋がる 超 シングルロードが続くし、随処に橋が掛けられてたり…
足許シースルー
錆び付き度70%
思わず、え?切り通し?
みたいなトレイルを行く。
まあ変化に富んでいた方が飽きないんだけど…。
この後猫越峠を過ぎると湿気の多い灌木の中を走る事になる。まるでトトロに出てくる、めいが迷い込んだ森の路みたいだよ。
にしても、この日は流石に疲れてたみたい。
心身ともに重く、ペースが上がらない。
山頂手前の坂を何とか登り切り猫越岳に到着。
長くてキツイ斜面を下り、少し走ると………
まるで空に向かって伸びるかのようなトレイルにテンションも上がる!
そして間もなく仁科峠。
左手には西伊豆の宇久須港(多分)を望み
眼前眼下には遙かに続く極上トレイルが……
360度視界良好な大パノラマに感動です!
上の画像の左端から一登りで風早峠を越えれば、あとは船原峠まで緩やかな下り基調の芝生トレイルです。
これからがまさにこのコースの醍醐味区となるんですが、仁科の展望台でアンパン補給してたら疲労のためか、どうしても先に進む気力が沸いて来ない。
ここまで、まともなルートで来れば……多分15キロ程度、(自分の走力では)2時間前後で着くと思うが、本日既に4時間近くが経過。復路の体力も考慮して泣く泣く此処で戻る事にしました。
なにしろ無理して進み、遭難編PART②になるのは懲り懲りですから(苦笑)
ちなみに、下の画像の滑沢峠~水生地下駐車場の間も非常に走り辛く、危険な箇所が多いです。
余り来訪者が居ないのか…荒れ果てた東屋と標識がある旧天城峠(二本杉峠)。
ここは結構複雑な分岐点になっていますが今回は此処から大川端キャンプ場(跡地)方面へ下る。
最後の苔生した急な下り&岩ゴロゴロで危うく転倒、そして捻挫寸前な目に遭いながらも……
………無事生還……。
いやあ……ホントに色々有ったトレラン記でした。
めでたしめでたし。
次回訪れた時は仁科峠以降を走ります!