このレースの2つ目の特徴が「トリッキーなコース」なこと。
スタートはキャンパス内だが、敷地内を出ると未舗装道路あり、砂利道あり(墓地脇
を通る)、最後には砂利の駐車場を抜けたりと、かなり手強い。
更に、触れ込みでは「大学の周りを大きく周回」と謳っていたので(コーナーは4つか……)と思っていた。
ところが……だ…曲がる曲がる(笑)
記憶では⑭か⑮コーナーはあった。(これじゃホントに普段のジョグコースだよ)
しかも攻略を難しくするのが2キロ地点過ぎから4キロ地点辺りまで下り坂と上り坂が続く事。
おまけにこの日は秩父連山からの冷たい吹き下ろしが強く丁度その坂道辺りで影響を受けるのだ。
1周目。5キロラップ:24分02秒。
あまりスピードを出したつもりは無いんだけど流れのままに走ったら結構速かった。
周りでは背中貼られた数字をにらんでの心理戦による攻防が早くも展開されている感じで面白い。
抜きつ抜かれつする際には、みんな必ず「背中確認」してる。(笑)
主催者側の「皆さんがペースメーカーですから~」の声などどこ吹く風。同レベルと思えるランナーを意識しながらレースは進む……。
2周目。5キロラップ:23分55秒。
今日は思ったほど腰の調子も悪くないので予想以上に軽快なペースで走れている。もちろん集団もバラけたので、さあ何を目標にしようか……と考えていると少し前方に 5:00 と書かれた⑤~⑥人の集団を発見。暫らく様子見ながらこの集団の10メートルくらい後方で付いて行くことにした。
彼ら、同じ数字を持つ者同士で早くもバトルモードのオーラがびんびん!(笑)
3週目。5キロラップ:24分15秒
12キロ過ぎから神経痛が出る。まあ、我慢が効く程度なのとレース中なこともあってギリギリ走れた感じ。
周りに目をやると……この辺りで(言い方は悪いかもしれないが)嘘つき申告者が発覚してくる。
4分20秒とか書いてる人が早くもズルズル後退して行ったり、6分30秒とか申告してるはずなのに並ぶ間もなく抜き去って行ったり……。(アナタ、その申告はズルいんじゃないか…がいっぱい)
極めつけが前出⑤分の集団の中の1人。2周目の頭と3週目の頭にトイレに行ったはずなのに、スグにその集団に取り付いている。フォームといい体型といい……かなりやれるはずと睨んだ。
「きみ、5分ぢゃないね」
4週目。5キロラップ:24分14秒
突入と同時に周回でトップ選手に抜かれる。
背中には3分30秒の文字が燦然と輝く。しばしトップランナーの走りに茫然とするも、その美しいフォームに心から拍手。こんな経験は周回コースじゃないと味わえないですね。
で、自分はというと、素晴らしくイーブンペースが保ててる!(喜)まあ20キロはいつもの練習でも走ってるので当たり前だが、今日は客観的に皆さんの 背中 の闘いを眺めながらなので無駄に力んでないみたいだ。
もうこの周になると、周回遅れが有ったり周回抜かれがあったりと、訳判らず(笑)
ただ1つ…気になるのが3週目の中盤からずっと誰かが直後に付いて来てる。どうやら風避けにされてるみたいだ。こんな経験は初めてだったのでどうしようかと思ったが……やはりあまり気分はよろしくない。
すると周回後半に差し掛かる下りで奴が仕掛けた。スーッと前に出られてすぐに10メートルくらい離される。
抜かれ際にチラ見したが、30歳前後の180センチ近い男子だ。
背中には「5分20秒」……ですと。
(君ねえ、そんなデカイなりして166センチの40歳過ぎの中年を風避けに使うとは)
「少なくともあなたには負けないよ」
5週目・6週目。5キロラップ:24分37秒・24分10秒
2時間30分切りはもう確定なので後は奴を捉えるのみだ!(GO!GO!ミートマン)
20キロ過ぎで神経痛が再発したが気にしてられない。ずっと射程圏内に捉えたままで虎視眈眈。
で、最終周回の残り3キロ下りの途中でスパート開始。5週目と最初の2キロを抑えたので余裕だ
向かい風をモノともせず(思ってるのは自分だけ)突っ走る。
が……奴も付いてきてる!?
コーナー2つ曲がって今度は登り。攣りそうになるハムを気合いで動かし続ける。日頃トレイルで鍛えてるんだから此処で負けるわけにはいかない!
が………まだ奴も付いてきてる!?
登りきったところでフィニッシュまで約1キロ。
え…………奴に…瞬間並ばれる!!!
もう無我夢中。
完全に オーバーザトップ 状態。
(なんでこんなローカルな大会で必死になってんだ?)と、半ば自嘲気味。
後は振り返る事無く力まずに流れるような走りだけを意識して全力疾走。
最終コーナーで後ろを見ると30メートル以上差が付いてる。
最後の1キロラップは……4分16秒だった(笑)
よし、来年は「2分45秒」で申告し、いっちょビビらせたろか……。