5月5日のマロ。
2010年4月30日に食欲低下で便秘の当時2歳のオス猫が山猫庵にやってきた。
ボロボロで棄てられていたところを保護されて山猫庵シェルターへやってきた。
おそらく2歳以上だったのかもしれないが、外猫の世話をしていた方の話によると2歳ぐらいとのこと。
検査の結果、巨大結腸症だった。先天的な原因であったりする場合も多いが、原因はわからず、外科手術を選ぶより、自分で便を出せるように頑張ろうということで、レーザー治療と掻き出しによる治療を続けた。調子の良い時は、自分でもそこそこの排便をした。
しかし、排便が止まるとまたレーザーと掻き出し。1週間に1度ペースで頑張ってきた。
できるだけ運動もさせたが、シェルターの中では限度がある。
山猫庵へきてちょうど4年。
少し前から鼻腔と気道あたりに異常があり、ホームドクターで検査をしながら対症療法でやってきたが、いよいよ食べることが苦痛になるようになった。
呼吸をするのも苦しいくらいであった。ドクターと相談の上、CT検査で鼻腔の状態を検査することになり、場合によってはリンパ腫などの腫瘍もあるかと。
5月8日東京大学動物病院で検査。
残念ながら手遅れの状態で、粘膜性腫瘍の可能性。鼻の骨とあごの骨が溶けており、脳に穴が開くのは時間の問題だと。
原因はわからない。免疫力が落ちているので外科手術や抗がん剤はできない。
血液生化学検査上は何の問題もない。
そして余命10日という診断に。
最期はできるだけ苦しまずに穏やかに眠ってほしい。
保護時2歳ならマロはまだ6歳。
本日5月9日、少しでも楽になればと「放射線治療」をすることに。
本来なら10回以上は続けなくてはならないが、余命がそれほど伸びるわけではない。
無理な延命はマロにとっても苦痛だ。
静かに、穏やかに、人間が最期を看取る。
山猫庵ではできるだけシェルターで最期を迎えることのないように、こういった猫でも新しい飼い主を募集する。
人間の都合で棄てられた猫たちの最期はせめて人間が看取り供養してあげたいものだ。
しかし、放射線治療1回でも奇跡が起こるかもしれない。
私たちは決してあきらめない。