乾燥肌は、肌内に水分を保持する力が低下している状態で、クレンジングや洗顔の後などは、特に強いつっぱり感を感じる方も多いと思います。
人の肌の水分保持力というのは、表面の角質層にあるセラミドなどの細胞間脂質がそのほとんどを担っていて、残りをNMFと呼ばれる天然保湿因子と肌表面を覆う皮脂膜が担ってくれているんですね。
乾燥肌というのは、こうした組織がうまく形成されないなどの原因で、肌が自分の力で水分を保っておくことができない状態です。
そのため、乾燥肌を洗顔する際には、汚れを丁寧に落とすことは大切になりますが、必要以上の皮脂や細胞間脂質まで根こそぎ落とさないような工夫が重要になってくるんですね。
乾燥肌は、ただでさえバリア機能も低下し刺激に敏感になっている状態なので、クレンジングと洗顔で2回とも強い洗浄力のあるもので洗ってしまうと、肌への負担が大きくなってしまいます。
クレンジングは、クリームやオイルタイプのメイクをそのまま浮かすものを使用して洗顔したり、クレンジングと洗顔が同時にできるものなどで1回に済ますことができる石けんなどを利用すると、肌への負担も抑えることができます。
使用する洗顔剤は、できるだけ合成界面活性剤などが配合されていない、肌への刺激が少ないものを選ぶのがベターです。
肌への負担が最も少ないのが純石けんで、石けんの界面活性力は洗い流すことで消えるという特徴もあるんですね。そのため、肌への刺激を最小限に抑えることができるとされているんです。
ただ、石けんでの洗いあがりは、つっぱり感が強いので少し苦手。。という方も多いんです。
しかしながら、石けんで洗った後のつっぱり感というのは、肌が乾燥したことが要因ではなく、石けんの成分に触れたことによって肌がアルカリ性に傾いたことが原因なんです。
人の肌には、アルカリ性に傾いた状態を弱酸性に戻そうとする力があるため、石けんによる洗い上がりのつっぱり感はそれほど心配することはないんですね。
洗浄力の高い合成界面活性剤が多く配合された洗顔剤を使用すると、洗い上がりはさっぱりとした感覚があっても、肌表面の必要以上の皮脂や細胞間脂質をごっそり洗い落としてしまっていることもあり、それが更に乾燥を進行してしまうことにも繋がるため注意したいですね。