今日、嫁が、チケットを買ってきてくれた。


放送大学大学院の、面接の、往復のチケットだ。




すまんなあ。 


(ノ△・。)




私が大学院にいって、彼女に何の得があるのだろう。


なのに、嫌な顔ひとつせず、その手配をしてくれて、生活費の中から金を出してくれる。




その金があれば、何か他に、もっとよい使い道があるだろうに。


思えば、技術士や情報処理技術者試験の受験。


もろもろの勉強会。


受験料や旅費、参考書など、私の小遣いの範囲ではとても受験を続けられなかった。


足りない。と思った時に、そっと出してくれたことは、一度や二度ではない。


よくある、試験対策講座など、家計を考えれば手を出すことは許されない。


だから、私は、基本的に独学だ。




不合格を繰り返したこともある。


会社での扱いに耐えかねて、荒い発言したこともある。


技術士不合格が続いた年に、追い払われるように事務職への異動を命じられた時は、本当に意気消沈したものだ。


あのときは、技術者へのこだわりとか、技術士挑戦とかやめて、


ただただ、この会社から離れることを最優先して、独立可能性の高い士業へ目標を変更しようかと荒れた。


そのとき、彼女が、 「もう少し、技術士を続けてみたら」 と言ったのだ。


その翌年に筆記合格し、口頭撃沈。翌々年に筆記・口頭とも合格した。


考えてみれば、彼女がいなければ、技術士である私は存在しない。





私がもう少し、世渡りがうまければ。


私がもう少し、自尊心が低ければ。


家族の為に使えた金は、いくらか多かったろう。


無資格で、軽視され、出世もしないが (いや、今も出世はしていないが)


気の良い奴として会社に居場所を見つけていれば。




もっと家族に楽をさせてやれていたのではないか。




そして博士号を目指すのであれば、最安を心がけるとはいいながら、更なる負担を家族に強いる事になる。


どうなんだろう。それは。


放送大学大学院の学費は、50万台。


留年しなければ。ゼミに参加しなければ。


参考書等を購入しなければ。研究費用を考えなければ。


の、話だ。




どう考えても、50万ぽっちで済むわけもない。


100万だとしても安上がりだ。それはわかっている。


しかし、その100万分、家族の幸せを、私は奪っているのだ。


そしてこの支出、家族にとってのリターンは、まずないのだ。


この先に、博士号だってあるのだ。いくらいるのだ。






いつか、家族にお返しができるのだろうか。





嫁は、私にはもったいない嫁だ。