世界が見える。

いくつもの世界が、かつては光り、活動をしていた世界が、いくつも揺らめき、流れる。

ここは死んだ世界の墓場なのだろうか。

いずれは完全に消滅し、また別の世界として再生されても。

もう、その世界には二度とはいけない。

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朝、まだ夏の暑さを残している暑さに目を覚まし、少々不快であったが、起き上がることにした。

いつもの日常、それが今日も始まると思うと、少し楽しみで、少し寂しい。

今日もあいつらは元気なんだろうか。

今日もあいつらは俺を笑わせてくれるのだろうか。

それを考えると、自然と笑みがこぼれてくる。

ぼやけた視界で外を見ると、今日も嫌っていうほど晴れている。

・・・、さっさと準備するか。

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いつものように、風を切りながら自転車で学園まで行く。

いつものように、歩いて通学する生徒を何十名も抜かしながら走る。

いつものように、いつもの駐輪所に自転車を止める。

そして、いつものように騒がしくなりつつある教室に足を運ぶ。

教室の扉を開けると、あいつらはいつものように教室にいた。

「おっす」

新星が開口一番にそう言い、俺も同じようにそう返す。

ブレイズも、shibaも、どくろも、Noelも、コバルトも、みんな同じように挨拶をする。

この学園に着てからは、いつも楽しく過ごしてきたと思う。

一日一日が無駄に濃く、一瞬で過ぎ去ってしまう。

それでも、明日にはまた濃い一日が始まる。

なんて素晴らしい事なんだろうか。

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「はい、それではまた明日も元気で会いましょう。

あ、最後に、俺は鬼畜ちゃうんよ、それだけ、終わり」

いつものように、先生の挨拶で学校は終わり、放課後を迎える。

毎日のように先生は『鬼畜ちゃうねん』とか『鬼畜ちゃうんよ』とか言ってる。

誰もそう思ってないのに・・・。

「おう、out、さっさ帰ろうぜ」

今日は珍しく、新星がそう誘ってきた。

適当に返事をし、俺は帰る準備をし始めた。

ふと思った、新星と帰るの初めてじゃねぇのかな、とか。

ま、たまにはいいだろう。

「帰るか」

俺の準備を待っていた新星にそう言うと、新星は無言で歩き始めた。

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「あれ、今日は自転車じゃねぇの?」

いつもは自転車ですっ飛ばしてくる新星なのに、今日は自転車じゃないらしい。

「あぁ、昨日パンクしたから修理に出しててな、今日はバスだ」

自転車の鍵をはずしながらそんな会話をする。

鍵をはずし終えると、俺と新星は家の方向に向かって歩き出した。

「でもさ、歩いて帰るとすると、結構な距離じゃね?」

と、俺は新星にそう言う。

「まぁ、たまにはいいかなと思って、歩くのも」

「だって、一時間以上はかかるぞ?」

「うるせぇな、てめぇの自転車もへし折るぞ」

「いやいやいや、流石に無理やろ」

「・・・、言ったな?」

「やめろ」

などと取り留めの無い会話をしながらだらだらと二人して歩いて帰る。

日は沈み始め、あたりが茜色に染まり始めるころ、俺たちは途中の踏切の前まで来ていた。

「なぁ、out」

ふと新星が立ち止まると、そう言った。

「ん?」

俺もそれに合わせて立ち止まる。

「この学園にきて、俺は毎日楽しく過ごせてきたと思う。

編入してきて、ドロケもやったな、文化祭も楽しんで、皆で遊び行って」

急に何を言い出すのかと思ったらそんなことだった。

「うん、俺もそう思っているよ」

「だろうな。

shibaも、コバルトも、ブレイズも、TERUも、どくろも、Noelも、味さんも、先生も、皆始めて出会ったであろう俺たちに、こうも仲良く接してくれた。」

あぁ、不思議なくらいにな。

「この世界は今までと違い、全てが光り輝き、巡っていた。

この世界は楽しかった、楽しかった。

それでも・・・、それでも俺は足りないんだ・・・」

・・・、何を言っているんだ?

「おい、いったい何の・・・」

不意に目の前の踏切の警報音が鳴り始める。

新星はなのにもかかわらず、足を進める。

ついに遮断機が降りた。

「じゃあな、out、次でもしあっても・・・」

警報の音がけたましく鳴り響き、先へ足を進める新星の声も、聞こえなくなってきていた。

――――――――おい!危ないぞ!

俺は確かにそういったと思う。

でもそれは電車が同時に通り、最早自分でも聞き取れていなかった。

電車が通り過ぎると、新星の姿は既に―――――無かった。

同時に意識がフェードアウトする。

霞みゆく景色の中で見たのは、世界がまるでパズルのように崩れ落ちる様子だった。

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・・・、ひどく長い夢を見ていた気がする。

ちょっと前のことなのにまるで霧がかかったかのようにぼやけては、薄れ、消えていく。

それでもわかるのは、恐らく俺は、楽しかったんだろう。

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ピピピ、ピピピと目覚ましの音で目が覚める。

今日は何の日だろうと、ぼやけた頭を巡らせると、大したことじゃなかった。

・・・、さっさと出るか。

一人しかいない1Kの一室。

親の元を離れ、一人暮らしをするのも少しなれてきた。

高校の時はまだ、その先にある未来は、どう広がっていくのだろうと、期待ばかりしていた。

だが、広げてみると、大したこと無いものばかりがこぼれる。

大学に進んでからはそんな毎日だった。

誰と話しても退屈、何をしても退屈。

バイトを始めたが、流れ作業をしているかのように退屈。

世界はこんなにも―――――退屈だったのだろうか。

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キャンパスまではそんなに遠くない。

いつもは自転車で十数分なのだが。

今日はなぜか歩いていこうと思った。

つく時間は少し遅れるが。

こんな日があっても、別にいいだろうと思った。

が、数分すると、大して面白くも無ければ、楽しくもないし、新しい発見も無い。

――――――どこかの誰かさんなら、何も無いところから楽しさ、面白さを見出すんだろうな。

・・・、本当にどこの誰なんだろうか。

そんなことを考えていると、体に走る衝撃と、女性の短い悲鳴で意識が戻った。

女性が倒れて、持っていた荷物が落ちる音がする。

持っていたのはなにやら何かの資料で、そこらじゅうに紙が散らばった。

「あっ!す、すみません!」

慌てて女性も見ずに散らばった紙を拾い集める。

しまったと思い、いまさらながら、大丈夫ですか、と女性に声をかける。

女性は、いててて・・・、と言いながら顔を上げる。

目が合った。

すごく長い時間のようで、恐らくほんの刹那。

女性は目を逸らし、「まぁ、大丈夫です・・・」と冷静な口調でそういった。

一言で言うならなんだろう、既視感。

ほんの僅かだが、懐かしいような、でも最近のような気もする。

どこかであったことがある。

そのひとつが俺の頭を支配していた。

「いつか会ったことありますっけ?」

散らばった紙を拾いながら、思い切って言ってみる。

女性は「は?」と短く返し、俺のほうに眼をやる。

再び目が合う、今度は確実にさっきより長く。

「ああー・・・、あぁ?」

と女性は考えていたようだが、思い当たる節があるようだ。

身長は割りと高めで、容姿は整っている。

一言で言うならクールだろう、いかにも頭よさげな雰囲気をかもし出している。

「ナンパの常套句かと思いましたけど・・・、確かに会ったことがある気がしますね」

女性は目を逸らし、散らばった紙を整えながらそう言った。

そう、冗談とかそんなレベルじゃないし、デジャブなんてもんじゃない。

もっと確かな感触があった。

女性は散らばった何かの資料を整え終え、立ち上がり、転んだ際に付いた土ぼこりを払った。

「もしかして、○○大学の人ですか?」

なんとなく、本当になんとなくそう尋ねてみた。

「まぁ、そうですけど、あなたもですか?」

ズボンを払いながら女性はそう答える。

「あ、そうなんですか、俺もそうです」

結局大学まで一緒にいくことになった。

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軽く自己紹介した結果彼女の名前は――――――shibaという名前だった。











一週間たちましたね。

俺もこんなことがあるといいな。





遅刻魔と色白メガネがのどかのキャラソンがひどいといっていたので、後で聞くことにしよう。

Wiiのも。



さて、なにしようかな。


んじゃ、また。