どこにしようか。


   隣のクラスのメイド喫茶


ニア お化け屋敷


   演劇


   中庭


「そうだな・・・、5組のお化け屋敷とかどう?」


隣で、中庭の様子を見ながら俺と並行するshibaに尋ねる。


「へー、いいんじゃない?私を怖がらせるものがあるのかは置いといて」


・・・、確かにshibaの恐れている姿は想像するに難しい。


見てみたい気はする、怖いか怖くないかは置いといて。


「よし、じゃあ行くか、すぐそこだし」


俺が指差すさきには、数人程度の列が出来ている教室がある。


そして看板、単純に「お化け屋敷」


列の最後尾に並ぶと、一定の間隔で前の人数は減っていく。


気がつくと、後ろには既に、再び列が成されていた。


隣に並ぶshibaの表情は少し読み取りにくい。


いつものように少し真顔、少し口元は微笑んでいる。


楽しみなのか?


そうこう考えているうちに、ついに最前列になり、受付の声がした。


「はーい、少し待っててくださいねー」


腕でせき止められ、もう片手で紙に何かを書いているようだ。


目の端に移った、注意事項のような張り紙に視線をそらす。


・・・、どうやらここは男子がいないと入れないらしい。


よくわからない。


男女のペアだけならわかるが。


男子が必要となると・・・、なんだ・・・。


「はーいどうぞー、楽しんできてくださいねー」


ふと受付のお化け屋敷の雰囲気に合わない陽気な声に気付かされ。


俺とshibaは足を進めた。


――――――――――――――――――――――


「・・・、暗いなぁ」


闇。


元の教室の雰囲気を漂わせないほどの空気が室内には漂っていた。


と言うか、学園祭のレベルを超越した作りだ。


壁は一瞬、本当に林の中にきたのかと疑うほどに、暗さも相重なって、近くで見ないとわからないほど、よく出来たものだった。


床は、本物の土、しかもどこから仕入れてきたのか、ちゃんとした腐葉土だった。


そしてどういうわけか、ひんやりと冷たい風が流れてくる。


あたりには笹の葉が揺れ擦れ、なりあっている音が響き渡っている。


気を引き締めないと、その場の空気に飲まれそうなほどに。


闇だった。



歩き回って、ほんの一分もしないだろう。


唐突に、前方に井戸が現れた。


遠目からだと、本当に山の中に忘れ去られた古井戸のように見える。


どうやらその周りを通らなければ先へは進めないみたいで。


俺はshibaの様子を伺った。


「・・・、何も、行くしかないだろう?」


俄然、shibaはいつもの表情を保っていた。


・・・、心なしか少し、楽しそうにも見える。


たぶん、このとき、俺の顔は引きつっていたと思う。


「・・・うし」


自分になぞの気合を込め、足を進める。


取り敢えず目標、shibaより先にはびびらない。


何でもかかってこいやああああぁぁぁぁー!!!


井戸まであと1mってとこだろう。


何が出ても絶対平常心を保つ、その気でいたのに。


終に、井戸を過ぎても何も起こらなかった、不自然なほどに。


「なんだったんだろう・・・、何もないのかな?」


ため息と同時に、ついそんなことを言ってしまった。


「・・・、そうか?」


shibaのトーンの低い声に少し戦慄したが・・・、なんのことだろうか。


ニア 取り敢えずこのまま進もうか。

 

   井戸の方を振り返る。


・・・・・・・・・・・・。


   取り敢えずこのまま進もうか。

 

ニア 井戸の方を振り返る。


何かあるんだろうか、先ほど通り過ぎた井戸の方へ振り返る。


・・・、振り返っちゃいけない気がしたのに。


その時、俺の目は井戸から目が離せなくなってしまった。


そして、そのまま、ゆっくりと、ゆっくりと体は井戸の方へ流れるように向かっていく。


俺の、意思など、初めから、無かったかのように。


井戸まで後一歩のところまで体はきている。


そして一歩踏み出してしまった。


ゆっくりと視線は井戸の底へと移って行ってる。


俺の後ろでshibaの声がしたが、もう、何もわからない。


ただ引きよせらるように、視線は、底の方へ。


井戸の中は、まるで底が無いように、深い、深い、闇が続いていた。


「よかったのかホイホイついてきちまって・・・」


井戸の底から低く、響く声がする。


「うれしいこといってくれるじゃないの


それじゃあ、とことん喜ばせてやるからな」


なっ、俺はまだ、何も・・・、言って・・・。


突如井戸の中から現れた一本の太い腕に掴まれ、俺は井戸の闇の中へと消えていった・・・。


―――――DEAD END―――――



Continue?



じゃあ、明日からもがんばるか。


んじゃまた。