この不可思議な世界、何が不可思議か。
それは、全く分からない、ゆえに不可思議なのだろう。
誰も知りえない、理解する事は出来ない、誰にも分からぬ。
一体俺たちはどこまで分かっているのだろう。
自分の名前、生年月日、性別、住所、親の名前、友人、人間関係、人の気持ち、自分の国の事、この星のこと、この世の果ての事。
所詮俺たちは、何かに証明されてないと自分を証明する事は出来ないのだ。
全てを無に返したとき、自分を証明する術はどこにもないのだ。
「あなたは誰ですか?」
目に見えぬその声に対する答えは、見つからず、苦し紛れの答えしか搾り出す事が出来なかった。
「俺は、俺です」
今思えば笑ってしまうかのような返答、それだけ見てしまえば苦笑いしそうな返答。
「それがあなた自身の証明です」
しかし、それが答えであると証明された時、俺はようやく俺になれたのかもしれない。
たとえ全てのものから自分を否定されたとしても、俺が俺である証明。
それは内から光り輝き溢れ出し、自分と言う影を映し出していく。
それはそこに実体があることを証明し、尚更存在は存在へと確立されていく。
故に存在は存在していて、俺は自分として等しくされるのだ。
そんな回りくどい事をしないと自分を証明できないなんて。
それすらもしないのに自分を証明するだなんて。
あんたは一体誰を証明するつもりなの?
そこに立っているのはあんた以外のものか何か?
そんな下らない立証。
永久に続けているといい。