それは、別の嘘です。







「緊急放送です。今から三十分後にイレギュラー迎撃システム『シスターレイ』を発動します。学園内に残っている生徒は速やかに避難してください。繰り返します、今から・・・」


突然の事だった、理解が追いつかなかった。イレギュラー迎撃システム?シスターレイ?避難?一体何のことなんだ?


「眉毛君・・・!」


そもそもこの学園でなにが起きているんだ?避難って一体どこに?


「眉毛君!聞いてるの!?」


「え!?あぁ、ごめん、BLAZE」


不意に我に返り、頭に冷静さを取り戻す。声の主は、同じクラスのBLAZEだった。


「今の放送聞いてたでしょ?早く避難しなきゃ!」


BLAZEはやたらと焦っているようで、俺の右手をつかみ、今にも走り出そうとしていた。


「ちょっと待ってくれ、シスターレイ、ってなんだ?」


「私も詳しくは知らないけど、ともかく早く学園内から出ないと、灰になっちゃうよ!」


灰?はい?high?意味が分からんが、俺の右手をぐいぐいと引っ張るのは止めてくれ。痛い。


「ほら、あれを見て!」


BLAZEの指差す方向には、紙村学園のシンボルとも言える高い時計台、のはずだが。


「・・・。キャノン砲?」


今ではゆっくりと変形させていき、一つの巨大な大砲へと変わったいっていた。


ちょうどストーンヘンジのような。遺跡じゃないほうのね。


「・・・、ありゃ灰になるな」


つい、正直な感想が声に出てしまった。


「でしょ!だから早く!shibaも待ってるんだよ!」


でも、あんなのをいくら糞広いと言え、この学園内でぶっ放したら、それなりの二次災害は出るはずだ。


なにもそこまでする必要があるほどの事態があると言うのか、それはわからないが。


「ちょ、ちょっと眉毛君!?」


自己解決するより早く、考えるよりも早く、俺はBLAZEの手を振り解いて、シスターレイの方へと駆け出していた。



夢中で走っていた、ここから時計台まで、距離にすると3~4kmはあるはずだ。それでも、なぜか速くない足で走っていた。


「行く理由も解らず、何があるのかも解らず、それでも走り続けるか少年」


突然横で声がし、そこへ向くと、クラスメイトの新星がいた。


「確かにわからん。でも、このままじゃ悪い気がするんだ・・・」


「それは同感だ。ならば、力を貸してやろう、覚悟はあるかい?」


俺は意味深なその言葉に、ただ、頷いた。


「よしきた」


新星はにっこり笑うと、そのまま俺と並走を続けた。



異変はそれから二分後だった。


機械音がし、とっさに立ち止まると、前方5m程に見慣れない何かがいた。


ロボット?マシン?ともかく、二足歩行のロボットと、四足歩行のロボットがそこにいた。


「なんだよこれ・・・」


「恐らく、この学園にとってのイレギュラー、だろうな」


そのロボは機械音をさせながらゆっくりと俺らのほうへ向かってきている。このままじゃ確実に標的になるだろう。


「覚悟は出来てるんだろ?」


「あぁ!」


「いくぞ、来たれ!」


新星がそう叫ぶと、辺りは眩しい白い光に包まれた。


何の覚悟かは知らない、でも心の準備は出来ていた、これから何が起ころうとも、だからこの後起きた事には、そこまで驚きはしなかった。


「・・・、弓?」


光は消え、その代わり、俺の目の前には白に輝く弓が浮いていた。


「そうだ、それがお前の武器だ。手に取れ、それで全てがわかる」


恐る恐る、だけどしっかりとその弓をつかんだ。


するとその弓の白さはますます磨きがかかり、眩いほどに光った。


不思議な感覚だった、勝手に頭の中に、そもそも最初からそこにあったかのように、その弓の使い方が解る。


この弓の名前は。


「射て、『白鶴』」


矢も無いのに、ただ弦を引くだけでいい。それでいい。


弦を放した瞬間、そこからは光り輝く二本の矢が出、同時に二体のロボを貫いた。


その一撃は、ロボの核を貫いたのか、やがてロボは動かなくなった。


「ま、初めてにしては上出来、かな」


新星は再び走り出し、俺もその後に続いた。





限界が来ました。


思い付きじゃここが限界だわ。


まだいけると思うけど、限界だわ。


どっちなんだい!


という事で。



んじゃまた。