いきなりだが、ここは普通の世界とはすこし
違った世界。
普通の人間こそいるのだが、
普通とは違う人間もいる。
カランカラン♪
誰かが店に入る音だ。
「いらっしゃい」
とても、すんだ少年の声。
凛としているが、どこかまだあどけないところ
もある、そんな声だ。
「あの・・・」
「あぁ・・・依頼のことですか?」
「はぃ」
何か暗い表情の女性がその少年に
返事をした。
もっとも、その女性は少年がどこにいるのかなんて
見えてはいないのだが。
「じゃぁ、そこの椅子に腰を掛けていてください」
と、奥から声の主である少年がでてきた。
銀色の長髪に、右眼の眼帯
服装は・・・店の内装にあわせているのか、
それとも店の内装をあわせているのか
黒系の服装だった。
「どうも」
「こ、こんにちわ」
「緊張しなくてもいいですよ。 あぁ、私はこういう者です」
少年は目の前に座っている女性に名刺を差し出した。
そこには
『雨月 爽哉』と書かれていた。
「では、とりあえず・・・”依頼内容”を聞かせていただけますか?」
「あ・・・えと、この店は・・・情報屋さんなんですか?」
「ん・・・? それは・・・まぁ、間違ってはいませんが
あくまでそれは”情報を探して欲しい”という依頼のもとに
そういうこともしている。というだけのことですよ。
ま、とりあえず、言ってみてください」
「じゃぁ・・・・探して欲しいものがあるんです」
「探し物ですか」
「はぃ」
「ふぅーん・・・・なるほど・・・ね。
あなたがなぜ、そうやって暗い服装なのかわかりました」
「え?」
女性は少し驚いた様な顔をして
雨月を見つめた。
「あなたは・・・・『影』を失ったんですね?」
「・・・・・!!!!?」
図星・・・と言っていいほどに
女性は驚き、手に持っていた
カップが震えているほどに動揺していた。
その女性にまた言葉をかけるように雨月は
喋った。
「あなたがこの店に入ったときからおかしいと思っていたんですよ。
生気がないというか、何か物足りないというか、
やけに灯りを避けているな・・・と」
「・・・・」
「それを探して欲しいんですね?」
「はい・・・・物体じゃなくてもいいんです・・・か?」
「無理じゃないですよ。 あぁ、ですが、一応、
あなたはしばらくこの店に通っていただくことになりますが」
「それなら・・・構いません。」
「わかりました。では・・・・また後日」