ここは、魁人の実家というべき家。

つまり、本家だ。

 

家の・・・いや、屋敷とも言うべきだろうという場所は、刺客の情報を聞いたからか、

警備が多くなっていた。


未来にとっては、久しぶりのことなのだ。

琉香はすでに、自宅に帰ると行っていたが、なにやら魁人と話を済ませていた。

 

「あ、あれ??? し、師匠!?」

 

未来は驚いていた。

いや、驚いてもおかしくないだろう。

なぜなら、そこに楽保が、未来の師匠がいたのだから。

 

本家とまったく関係ないはずの人物が。

 

「未来、君も来たんですね」

 

「何でここにいるんですか?」

 

「彼は、本家直属の攻撃専門の部隊長なんだよ。まぁ、引退しちゃってるから、今は緊急時ってことで来てもらってるんだよ」

 

魁人が割って入った。

護衛部隊があるように、逆に攻撃専門の部隊がいるらしい。

 

歴代の中で、楽保はもっとも剣術に長けていて、強かった。

 

「私はもう、ただの道場の頭首です」

 

「同じ頭首として、頼むよ」

 

べしっ!


「頭首って言っても意味が違うわよ、たたくわよ?」

 

誰かが、魁人の頭を叩いた。

見た限り、魁人と親密といえる。

 

「明子さん!?」

 

「めーちゃん、叩いてから言わないでくれよ」

 

「未来ちゃん、久しぶり^^」

 

「これはこれは、海外にいると思っていたのですが」

 

「まぁ、こんな状況だし、来ちゃった☆」

「えっと・・・さっきは、ありがとう」

 

「ううん。よかった、思ったより傷が深くなくて^^」

 

「・・・こういうのに詳しいの??」

 

「え・・・!?ま、まっさかぁ~」

 

明らかに、琉香は未来に何かを隠していた。

ともあれ、傷が深くなかったのが不幸中の幸いとも言うべきだろう。

 

ここは、琉香の家・・・らしい。

とても大きな、和式タイプの家で部屋数も多い。

普通に考えれば、「いいとこのお嬢様」的な感じだが、琉香がいうには、

 

「もともと、両親の両親・・つまり、祖母と祖父たちが建てたお家なんだけどね、両親もちょっと事故で亡くなっちゃったから、今は私の家・・・みたいなものなの;;」

 

「でも、これだけ大きかったら家賃・・・」 

 

主婦のようなことを言ってしまった。

 

「え、えっとそれは・・・・」

 

「未来!?」

 

「え・・・?」

ー誰??-

 

とても聞き覚えのある声がした。

姿は見えなかったが、次第に見えてきた。

 

「どうしたの、2人とも友達だったの??」

 

彼は、未来の初恋の相手である、魁人だ。

なぜ、こんなところにいるのかと未来は聞きたかった。

飛び込んででも聞き出したかった。

が、それをしなかった。

 

「あの、魁人さん・・・・さっき○○の者が」

 

「あー・・・ははは、やっぱそっか」

 

何の話をしているのだろう。

未来には聞こえなかった。

ただ少し、いい話じゃないことだけはわかった。

 

「・・・・こんな話、未来に言うべきじゃないけど、君は君で本家直属の護衛部隊だから・・・ね」

ー 一応、言っておかないとー

 

魁人はおもむろに、粛々と未来の目の前に座り、

ネクタイを緩め、話し始めた。

 

「僕さ、江戸から続く伝統ある家の本家の現頭首なんだけどさ、それを気に入らなかった分家側がいたんだよ。

それに狙われてるって話^^」

 

あまりにストレートというか・・・簡単に言われてしまった。

 

「ど、どういう・・・・意味ですか?」

 

「えっと、本家と分家でもともと成り立ってたんだけど、僕は頭首にならなかったはずなんだけど、いろいろあってなちゃったんだよ。それをよく思わない分家の亜魁人が、刺客を送り込んでるってことなんだよ」

 

「刺客・・・・さっきの?」

 

「へ?」

 

「もう、未来は戦ってたんです」

 

「そうだったんだ・・・いきなり、巻き込む形で悪かったね。でも、君は本家の護衛部隊だからさ。」

 

「あの・・・私、戦わなきゃだめなんですか??」

 

「うーん・・・たぶん、いやでも巻き込まれちゃうかも」

 

少し、困った顔をされた。

どの道、本家とかかわりがあるということは危ないということか。

 

「じゃぁ、琉香さんは、何なんですか??」

 

「ん?彼女は・・・・」

 

「えっと、その・・・」

 

「ま、それはいいとして☆」

 

嘘が下手なのか!?

というか、嘘すらついてない!!

無理やり話を終わらせた!!

まったく、なんて人だ!!!

 

「これから、よろしく頼むよ^^」

翌日のことだった。

ある意味、これがことの始まりとも言えた。

 

それはいつもどおり、稽古の帰り道。

街灯があり、しかし人はあんまり通らない道だ。

そこに未来は帰り道として利用していた。

 

「へぇーあたしと一緒の道、通る人いたんだww」

 

黄色い髪に携帯を持った少女だった。

いや、それだけじゃない。

未来ほど長くはないが、刀を2本持っていた。

 

「あなたは・・・誰?」

 

「ぷっwww それでも本家直属護衛部隊なわけ??」

 

「・・・・・」

 

「まーいっか。 あたしは亜北 音瑠 。 分家の家臣であんたたち本家の敵だよ^^」 

 

「分家・・・」

ーもしかして・・・-

 

刀を抜いた・・・一瞬だった。

すでに音瑠は2振りの刀を抜いていて、未来の首を取れるに十分な距離を持っていた。

 

「死んで!!」

 

が 未来にはあたらなかった。

稽古の成果というべきが、奇跡のたまものというべきか・・・・?

 

後ろに避けて刀で2振りの刀を振り払っていた。

反射的に。

 

「へぇ、一応、できるんだ」

 

「・・・・!」

ーど、どうしたら・・・・-

 

「アーもう!! 遅い!!」

 

「え?」

 

「何してんのよ、あの2人は!!」

ーこれじゃ計画実行なんて無理ジャン!!-

 

「何・・・・言ってるの?」

 

「もーいいや、とりあえず、死んでくれるかな? 飽きちゃったから」

 

「・・・!」

 

未来も刀を構えた。

構えなおした。

殺されるとわかっているのだから、戦いが嫌いでも戦うしかない。

 

これは、戦争だ。

 

理由のわからないまま戦わなければ行かない状況だったのだ。

 

「はぁぁ!」

 

「あはっ!」

 

2人の攻撃は火花を散らしながら激しく衝突していた。 

 

もっとも、音瑠は2刀流で未来は1刀流

数で言えば未来が不利だ

 

「2本相手によくやるね! 毎日、やってんの??」

 

「初経験・・・・だよ」

 

「へぇ、ヴァージンなんだ!!」

 

「っ!」

 

切れた。

いや、軽かったが、切れた。

頬から少し血をながし、それが大きく動揺を生んでいた。

 

人は血を見ると、動揺しショックを起こすらしい

 

「初めてって、痛いでしょ?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「何を・・・しているんですか?」

 

「「!!?」」

 

未来と音瑠が驚いた。

ここには2人しかいないはずなのに、他人がいた。

 

「ち、邪魔が入っちゃった・・・まったねー☆」

 

音瑠は刀をしまい、一気に見えなくなってた。

 

「未来さん・・・・だよね?」

 

「・・・・えっと」

 

見覚えがなかった。

同じ学校の制服というのはわかっていたけど。

 

「私は・・・あなたと同じクラスの 巡音 琉香 っていいます」