スピッツのレコードについて語るこのブログですが、
初期シングル盤3作を経て、ようやくLPについてのレビューです!
「インディゴ地平線」 POJH-1003
スピッツにとって最初のLPですが、1st〜7thアルバムまでは、7thアルバムから遡って発売されました。
LPのジャケットのサイズ感はいいですね〜
スピッツの初期のLPに関してはアルバムのイメージに合わせたカラー盤で発売されました。今回はオレンジ色です。
で、カラー盤というと、「音が悪い」という意見をしばしば見かけます。
これについては考えてみれば当然のことなのですが、盤の色を変えるということは盤に使う材料が微妙に異なるということです。通常の黒いレコード場合、カーボンを入れることで重さで回転が安定したり、音の溝にとって良い影響があったりするみたいです。あまり詳しくはないのですが。。。
カーボンを入れていないカラー盤やピクチャー盤はその分音が悪いと言われています。具体的には、ノイズが多かったり、盤の材質が違うため針が当たるときの音の読み取り方が変わって音が潰れたりとか、、色んなことが言われています。
中には「音が悪いのではなく、これはこれでこういう音の特徴を楽しめるのだ」と評する方もおられます。
私はどちらかといえば後者です。カラー盤で音が悪いと思ったことは今の所ありません。もっと本格的な視聴環境なら考えも変わるのかもしれませんが。
むしろレコードって音だけでなく、視覚的にも楽しめる娯楽だと思っていますので、このカラー盤というものに関して否定的な考えは一切ありません。
回っているのを見てるだけで癒されますよ、オレンジのレコード(笑)
そして、シングル盤にはなかった歌詞カードが入っています。片面はオリジナルアルバムに恒例のものとなるコミックが記載されています。
今回のものについては、、、
なんかコメントしようがないのでスルーします(笑)
歌詞カードの方なのですが、
とても見にくい!!(笑)
アルバムのカラーである明るいオレンジ色がベースの紙に小さい黒字が印字されているのですが、まぁチラチラしてずっと見ているにはきついです(笑)
ところでインディゴ地平線はCDも初回盤はケースが見事なオレンジ色になっていますが、なんでオレンジなんでしょうね。
インディゴといえば青がイメージしやすいですが。(通常盤のCDはオレンジ要素なし)
発売当時はそのことについてメンバーが語ったこともあるのでしょうか?
前置きが長くなりましたが、今作の構成について。
A面
1.花泥棒
2.初恋クレイジー
3.インディゴ地平線
4.渚
5.ハヤテ
6.ナナへの気持ち
B面
1.虹を越えて
2.バニーガール
3.ほうき星
4.マフラーマン
5.夕陽が笑う、君も笑う
6.チェリー
レコードに記録できる時間的に、CDのアルバム内容は1面には収録できませんので、このように両面に分けたり、レコードを複数枚に分けて収録したりするのですが、
これだけでも印象が変わりますよね。
聞く人が聞けばしごく当たり前のことですが、このアルバムをCDで聴く場合、「ナナへの気持ち」と「虹を越えて」は続けて聴くことになるのですが、レコードだと「ナナへの気持ち」で一旦再生が終了するわけです。そこから針をあげ、再生をとめ、盤をひっくり返し、また針を落とすと。最低でもこれだけのことをしないといけないわけですから、当然曲の流れがそこで完全に切られます。
CDでは途中の1曲だった「ナナへの気持ち」が最後の曲のように聴こえ、「虹を越えて」は針を落としてからの1曲め、つまり始まりの曲のような印象になるわけです。
アナログにデジタルのような便利さは全くありませんがその分、より音楽に対して集中するようになると思っています。たったこれだけのことでもこれだけ曲の印象について考えちゃいますし、デジタルと違って、基本的にレコードはスキップ再生とかはありませんから、その面の曲は最初から最後まで通して聴くことになります。途中のある曲だけ聴く、ということは少なくとも私はあまりしません。(やろうと思えばもちろんできますが、手動ですしめんどくさいです。それがしたいならCDを取り込んだものを聴けば良いですしね笑)
ちなみにレコードに記録されている曲数ですが、以前もここで書いたように内周は音の密度が高くなって音が歪んだりします。33回転のLPの場合、音量にもよりますが大体16〜20分を超えると音が歪みだすとか言われています。
その関係で今作のようにアルバム1作を2面に分けるのではなく、1面3〜4曲でレコード2枚とかの作品もあります。1面6曲だと20分は超える可能性が高いですからね。
しかし私は1面5-6曲で聴くのが割と好きです。一度針を落としたらしばらく何もしなくて良いので(笑)
3曲だとちょっと聴いたらすぐ入れ替え作業をしないといけないイメージがありますね。
今回は初LPレビューということでスピッツに関係ない話が多いですが、、、
ようやく内容についてですが
全体的にオリジナルのCDよりもかなり音がクリアで聴きやすい感じがします。
全然悪くないじゃん、カラー盤。うん。
「花泥棒」はパーカッションの音がよく聴こえます。
「渚」は、CD音源しか知らなかった頃は気づかなかったギターの音に気づきました。
もちろん、CDでは聴こえない音というわけではなく、後でCD音源を聴けば普通に聴こえるわけなんですが、レコードで聴くことで初めて気づく楽器の音、というのは今回だけでなく、ホントによくあります。
でも不思議な話、前回のシングル盤の「渚」ではあまり意識しなかったんですよね。
3曲め「インディゴ地平線」から聴いている流れとかも影響しているのかな?
B面でいうと、「バニーガール」の音がとても心地よい・・・
「チェリー」はいわゆる内周歪みと呼ばれるものを感じました。気にするほどではありませんけど。
そういえばマサムネさんは内周の音について、「むっちりしていて、盛り上がってくる音で好き」みたいなことをおっしゃってて、目から鱗というか、そんな捉え方もあるんだなぁ、さすがだなぁと思いました。
何曲かについて触れましたが、実は今作で私が最も曲の良さ、音の質感に改めて感動したのは「虹を越えて」でした。
外周の曲だからというのもあるかもしれませんが、こんなに世界観に浸れる曲だったかな??と。
なんともいえない心地よさを感じたのでした。
今回は長くなってしまいました。次からはもっと短くしよう。