水木しげるさんの「ねぼけ人生」を読む | がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

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土佐の山間・仁淀川町(によどがわちょう)の(元)地域支援企画員の日記!




坂本龍一さんの本に続き、水木しげるさんの

本を読んだ。これまた、自伝である。

「ねぼけ人生」

である。


しかし、内容は水木しげるさんの半生で前半は少年時代から戦前であり、生活にもだんだんと暗い戦争に突入していく。そう言った時代に反して?水木少年が何かあっけらかん、ひょうひょうとして面白い。算数、勉強は苦手だが、その他体育遊びは大の得意。しかも絵を描いたりと将来の漫画家の素養はこの辺りから見られる。面倒見のいいガキ大将に君臨するも、上の学校にも行けず、就職もままならない。デッサンの勉強したり、新聞配達したり、さまざまなことを試すも、ちっともモノにらないうちに戦争に突入した。しばらくして赤紙が来て、南方の最前線に送られてしまうのである。

水木しげるは片腕の漫画家である。

そうなってしまったのはこの太平洋戦争でラバウルでの銃弾が元で左腕を失うことになるのだ。本書でも人生の転換期とも書いてはいるが、その前後の最低で不条理な陸軍での扱いや食料の窮乏、さらにマラリヤにもかかり、銃弾が元で左腕も失って、まさにこの世の終わりみたいな状況なのに、なにかあっけらかんとして表現されてユーモアもあり、面白い。水木しげるさんとはこんな感じの人なんだとわかる。タイトルの「ねぼけ」というより、人間がデカいね。片腕なので、陸軍内では仕事はあまりないので空いた時間にラバウルの土着民とも1人だけ仲良くなり、畑まで開墾してもらい、バナナなど大量にもらい食べたり、宴に参加してすっかり仲良くなる。終戦時に帰国する際は残ってくれと皆から懇願されていたりして、本人もすぐに来たいほど離れがたくなる。

そんな感じで戦時中は過ぎたが、この続きもまだまだあるが、かなり後の「鬼太郎」が流行り出す前ももっと多難な貧乏時代が始まるが、これもすごい。ご興味ある方はぜひ。紙芝居作家、貸本屋作家など極貧時代がある。

今更ながら、すっかり水木しげるファンになりました。

SEE YOU!