田村カブを探して、宗津地区(1)ここは地すべりエリア | がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

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土佐の山間・仁淀川町(によどがわちょう)の(元)地域支援企画員の日記!

さて、今回は
仁淀川町の在来品種、伝統野菜である
田村カブ
の産地らしきを訪問した。

場所は仁淀川町宗津地区だ。
ここも標高が高い、いわゆる
天界集落である。

産地というほどのものはないことはわかっている。
もう仁淀川町でも絶滅の危機にあるのがこの
伝統野菜の現状なのだから。


道路わきに車を止めたら
背後には大きな木があった。
いかにも”ご神木”というような木だった。





やっぱり、木の幹の下にはホコラがあった。



さて、ここから、歩くことにしよう。
この斜面の集落、宗津地区を歩くのは3、4年ぶりか。



天気はいいが、人の気配はあまりない。

空家もある。もう、数十年前から住まなくなった家か。



道路脇を見ると、何か表示杭がある。


そう、これは「地すべり」の調査を示す表示杭だ。

宗津地区は仁淀川町では比較的多い国指定の「地すべり指定地」である。


もっと言うと、地すべり等防止法という法に伴って
全国には多くの地すべり指定エリアがあり、国、行政は
国土保全からそのエリアを守る必要がある。
ここは高知県土木部が指定して、継続的な対策工事を
施している地なのである。

地形的、地質的にも脆弱である。
しかし、その地に人は昔から住んで来たのである。


空を見たら、飛行機雲が。


地すべりはどういった場所に起こるか。
ひとつには水が多い場所である。
つまり、地下水が豊富にあるために、軟弱な地層に
水が多く入ると、あるすべり面にそって、重力の法則に従って、
下方へ土塊が移動するのである。規模もでかい。



人が住むには水がいる。
過去に地すべりがあった場所は、標高が高い割に
ぽっかりとそのエリアは地形が緩やかで日当りもよく
農地となる場所もあり、用水、飲み水も豊富な住みやすい
場所となっている。



対岸にほぼ同標高の桜地区が見える。




鹿森(シシモリ)地区も見える。
どちらもここ同様、わずかな田村カブの産地である。


しかし、どの畑にも
田村カブはない!?



なんと畑の脇に
地すべり対策工事の「集水井」があった。
まあ、いわば巨大な縦穴井戸で、
下方に何本もボーリング孔を掘って水を集めて
地下水を下げる役目をもっている施設である。
施行中だった。





向こうからやって来た
オバアちゃんに地すべりのことを聞いたら
あまり多くは心配していないようなことを言っていた。
子供の頃から住んでいるから、地盤が動く地すべりへ現象は
もはや大きな心配事ではないようだ。


田村カブのことも聞いたけど、ここより上部の
この集落の人が作っているらしきを教えてもらった。




本当に「田村カブ」には会えるのだろうか。


SEE YOU!