「それは丘の上から始まった」後藤周著
1923年横浜の朝鮮人・中国人虐殺
横浜市立中学の先生をなさっていた方が
長年調査して書かれた本です。
昭和1桁横浜生まれの父から
関東大震災では横浜でも虐殺があった
という話は聞かされて育ちましたが
子どもだった私には
それは遠い遠い昔のことでした。
この本では日時・場所・個人・経緯が
判明したケースを取り上げているせいか
切迫した場面に強烈な現実感を伴っています。
(自分に土地勘があることも一因かと)
この本を読むきっかけになった映画
「福田村事件」同様に、
生命の危機に瀕した際の動物的本能に
人としてどこまで抗うことができるのか、
ちょっとしたきっかけさえあれば
誰もが加害者にも被害者にもなる
ということを忘れてはならないと
強く感じる本でした。