おはようございます!
sunyoheiですo(^o^)o♪
また1冊読了しました。
佐々木一郎さんの『関取になれなかった男たち』です。
前々から興味があった本ですが、先日行った図書館で借りられたのでさっそく読んでみました。
相撲界は約700人の力士がいますがそのうちお給料をもらえるのは「関取」と呼ばれる70人のみ。関取の最下位である十両でも月給100万円という高額な給料がもらえるのに対し、その下の幕下という地位だと2ヶ月に1度支払われる16万5000円(月額に換算すると8万2500円)の手当のみなのです。
この『関取になれなかった男たち』は、幕下筆頭が最高位だった力士を取材して、あと一歩先の関取になれなかった経緯を明らかにし、あと一歩だった「あの時」と「その後」に迫ったものです。
本人だけでなく、師匠、ライバル、後輩、家族にも取材して「関取になれなかった男」の人物像を立体的に表現することに成功しているところが素晴らしいと思いました。
運の悪さや怪我で「あと一歩」が乗り越えられなかったものの、総じてその経験を「良かった」と捉え、前向きにその後の人生を歩んでいました。
一生懸命に取り組んだことは糧になるということなのでしょう。
幕下というと「弱い」という印象でしたが、700人のうちの上位15%に入る人たちなので、だいぶ強いのだなということが分かりました。
驚いたことに、この本で紹介された全員がトータルの成績では勝ち越していたのでした。
春日王 418勝386敗8休 .5199
師子王 322勝289敗54休 .5204
友鵬 348勝331敗7休 .5125
錦風 461勝449敗0休 .5066
緑富士 219勝157敗51休 .5824
小金富士 277勝260敗2休 .5158
ちなみに、長らく幕内に定着し、角界のマツコ・デラックスと呼ばれる宝富士でさえも通算成績は583勝588敗と負け越しているのです。