【著者】 小池龍之介
【出版社】 幻冬舎
【ページ数】177ページ
【感想】
著者は僧侶。
独特の文体で仏道でいうところの「貪欲」(むさぼる心)、「瞋恚」(怒りの心)、「愚癡」(真理に対する無知)の三毒を抑制し人間の醜悪さから解放されることを解く。
と、書けばわかりにくいが、要は「自分」濃度が濃すぎる人は回りから疎まれ、ギスギスした社会になってしまうということ・・・かな。
悪口や批判ばかりする人がいる。
本書によれば、他人を批判したり文句を言ったりするのは、自分のダメさ加減から目をそらして「ダメなのは他人、社会、世界のほうだ」と思いたいから。さらに他を批判している間は、自分のダメさを忘れられるうえに「こんな批判できちゃってるオレ/ワタシはすごく立派だよね」という印象を醸し出しているつもりと続く。
「批判」の名を借りて「自分、自分」というオーラを剥き出しにしてしまうことで自分濃度が濃くなるとは辛らつだが的を得ている。
印象に残ったのは「借金帳消し布施作法」というコラム。
人は他人に何かをしてあげるとき、必ず見返りを期待する。どんなに献身的行為が好きそうな人でも実際には我慢しているだけで我慢の限界を超えたら「これだけしてやったのに」という不満が爆発するという。この心の状態は欲望の自分濃度が濃く醜い。相手に恩着せという借金を背負わせることのないよう、親切心はこっそりひっそりと行うべし、とは大変難しい。
小生は職場において「ここまでしてやったのに」とか「~のくせに」とか絶対に口にしないよう心がけているが、心の中では思っていることもたまにある。
…まだまだ未熟者。
職場以外でたとえば列車の中で小さいお子さん連れのお母さんに席を譲るとかは何の利害もないので自然にできるが、利害関係だらけの職場で実践はやっぱり難しい。
せめて「ここまでしてやったのに、~のくせに」は口にしないことを継続しよう。
【お気に入り度】★★★☆☆
