今ままで何度となく「アルコールという薬物に逃げ込んだ理由を母親の死をうまく受け入れることができずにいた」と言ってきたけれど、妻である彼女には言い訳だけにしか過ぎないのだろう。
人は、生まれて・・・死んでいく・・・・・。
そんな当たり前の中で、両親が先に逝くということはありふれたことで、それがたとえ「事故死」であってみたところで、そのことを受け入れるということをしなければ先には進めないのである。
彼女は落ち込む自分に対して全てを捧げてきたのは紛れもない事実だし、彼女自身も「義母の事故死」を受け入れるために努力したに違いない。
そのことに気づくことなく「現実からの逃避」という道を選び、勝手に被害妄想に包まれて・・・・・・。
「いつまでも逃げていても始まらない・・・」何度となく彼女の口から飛び出した言葉だ。
その言葉に対して、素直に受け入れず恨みさえも感じるようになっていたのだから完全に病的になっていた。
22歳で結婚して23歳で長男を授かりその半年後の出来事だから、彼女の「女性として一番輝いた時間」を台無しにしてしまったという自分勝手な妄想と、「母の事故死を受け入れたくない」という被害妄想。
母の事故死は、時間が掛かりすぎるくらい掛かり受け入れることが出来たと思うが、「彼女の一番輝いた時間」を奪ってしまった、台無しにしてしまったという事実がある。
その事実に対しての「わだかまり」の感情がありそれがうまく取り除くことができないでいる。