金曜日の通勤電車に乗りました。

 

今から職場の大学に向かいます。

 

教員は授業に合わせて大学に来ますので、日によって違う時間に通勤となるのかもしれません。しかし、私は事務職員のため、毎日同じ時刻に通勤しています。

 

事務といっても時代は変わり、書類の封入や印刷が仕事ではありません。世間における大学のポジションを上げるべく、国の政策を理解しつつ大学の機能強化に励みます。

 

これまで経験した職種は、教務、国際、研究、認証評価対応と多岐に及んでいます。

 

教務というのが一般企業にはなくてわかりにくいかもしれません。要は学生が入学して卒業するまでに単位を修得していくわけですが、その進行管理の役目でしょう。

 

先生から「シラバス」と呼ばれる講義計画の原稿を集め、ウェブ上に掲載し、履修(りしゅう)登録という学生の授業登録を受け付け(最近はweb)、学生の課題であるレポートを集め(最近はweb)、試験を実施(今でも試験場で紙)し、成績報告を集計(最近はweb)する。この一連の作業と、その設計です。大きな大学では数千科目もありますから、それなりに大変な仕事になります。

 

月に1回は教授会という会議の議事と資料を整え(最近はPDF)、学部長に寄り添い、議論の行末を見守り、議事録をつけ報告する。

 

記し始めるととまりません。

 

主に教務は学部ごとに担当が分かれまして、私の経験では経営学部、法学部などを経験しました。その他言ってしまうと大学が特定されてしまいますので、伏せておきます。

 

私の担当は主に文系でした。文系を制覇したと言っても過言ではありません。学問領域により研究者(教員)の性質も異なることは面白い発見です。

 

国際と教務が主な仕事でして、教務では大学院を主に担当していました。自らは大学院にも行っておらず、また、留学もしておらず(語学研修はあり)、要はハンディキャップを持って仕事に当たってきたと感じています。

 

そして、今は研究の担当です。

 

研究の分野は理工系が中心となります。7割くらいは理工系でしょう。

 

これで本当の制覇となるでしょうね。

 

以上が大学職員を目指す人にとっては多少の参考になるかもしれない情報として記しておきます。

 

やりがいといえば、ないわけではありません。科学史の中に身を置きますおから、地球人類の一員をなし、近代国家日本の成り立ちから150年の途上に自分を置くことができます。

 

大袈裟ですが、たまにそのことを想像すると面白くなるものです。

 

しかし、日常はというと、これは大変です。大学教員というのは一般人と異なります。企業から移ってきた人は良いとして、多くは大学院からポスドク、研究員、非常勤を経て大学の専任教員になります。8割くらいはそういう人でしょう。

 

したがって、組織という概念が薄く、思ったことは即実行、実現しなければ怠惰であると考えている人もいます。公私の認識も薄い人がいて、公費と私費の違いを理解しない人もいるのではないかと心配になることがあります。すなわち、大きな学生に見えます。

 

知能は当然すごいものです。野球で言えばプロ野球選手のようなものです。専任教員になるための特定の資格はなく、強いて言えば博士号(学位)と学術論文等研究業績となります。博士号を取得した人のうちのごく一部が職業研究者になります。狭き門です。

 

博士号を持つ意味は何かという問いは私はつい最近まで、述べられませんでした。しかし、知りました。つまり、国の研究助成金への申請資格を得る、ということです。

 

よく聞くのは「科研費(科学研究費助成金)」でしょう。申請者のうち、20%ほどが採択されます。数年にわたる研究課題に数百万円から最大で5000万円ほど助成される制度です。

 

明治以来100年以上にわたる歴史ある国の研究費助成制度で、これに申請できるのが学位を持ち、且つ、研究機関に所属する人です。そして、あらゆる分野の学問に門戸が開かれている点が特長だと思います。ちなみに私に学位があるならば、私は大学所属ですので、一応申請は妨げられません(上司が許せば)。

 

研究者はすなわち、研究機関を求めてポジションを得ようと頑張ります。

 

私の仕事はやはり書ききれません。ここに記したことは研究者ではない大学関係者の立場である私が私の日常から見た現実を記したものです。

 

 

↑これは昨日の夕日。19時半のものです。

 

さて、金曜日、たまには仕事の話も良いのでしょう。