嫌に蒸し暑い通勤電車で月曜日の職場に向かいます。
私は職場では自分を作らず自然体です。ですので、さほどのストレスはありませんが、それでも、今朝はあまり職場に行きたくありません。
なぜなら、嫌な仕事が発覚したからです。細かくは記しませんが、過去(しかも私が知る限りは3年ほど前)に遡った過失の修正が求められます。私としてはその当時には察知できない複雑な案件です。
これにより受ける損失は未知です。数十万円かもしれませんし、数億円かもしれません。
ただ、思うのはこんな見落としはそこかしこにあるだろうということです。
私は年間6億円以上は動かしています。その全てに私の印鑑が押されます。しかも単価が1億円なんてものはなく、10万円以下が7割くらいで、200万円以上は件数にすれば1%程度でしょう。最高値で5000万円くらいでしょうか。
もちろん、私は決裁者であり、このお金を動かすのに10名以上の人が従事して内容をチェックしています。
ひたすら、経費執行のために伝票や勤務表をやりくりします。やりがいは、ほぼ感じません。
私が私の後任を公募すると仮定して、仕事の要点を書いてみます。
研究者(大学教員)の研究経費を執行する管理職です。旅費(国内・国外)、物品調達(高額研究機器含む)、雇用の予算執行責任者です。経費執行の不正がないかを常に念頭に置きつつ、年に1万3000件(2023年度実績)の決裁とそれに伴う問題解決が担当となります。
問題の一例
・不当に高額な旅費を執行している研究者を発見しその原因究明と再発防止を行います。
・被雇用者からのクレーム対応 100名以上の被雇用者の雇用責任者となって対応します。
・アマゾンビジネス導入に向けた関係各部署との協議
・インボイス対応
・旅費宿泊費上限の修正提案(近年、海外に限らず国内の宿泊費も高騰しています)
なお、1万件以上の執行がありますので、問題の全てを未然に防ぐことはほぼ不可能です。問題発見後、速やかに解決することが業務の中心をなします。
ブルシットジョブの典型だと私は感じています。
意味がなく、不必要で、有害ですらある。
ルールがもう少しシンプルであれば不要な仕事ですが、国の規模でもうすでにルールが複雑ですから置かれる担当であり、基本、人の幸福に直接的に資することのない仕事です。憎まれることはあっても、誰からも感謝はされません。
これで平均以上の年俸をもらいますが、私が感じる幸福は例えば食事ならこんなものです。
1000円以下で食べられます。
家族で食べても5000円以下。これを週に1回食べれれば良い。あとは炭酸泉に入り、運動ができて、図書館の本を読んで、と、お金はあまりかからないのです。
無意味で不必要で有害ですらある仕事がこの世から無くなったならどうなるのか。明日はそのことをしばし考えています。