長男の大学に行くため電車内にいます。
後援会(いわゆるPTA)の総会という誰も出ないイベントに出るために無理して移動しています。実際、1万人以上いる学生のうち、参加者は200名にも満たないようです。しかも申し込み不要。
職業柄、他大学に潜入できる機会として面白いので散歩ついでに向かいます。
昨日発売の文庫版を買いました。
私と同じテーマなのに、どうしてこれまで手にとらなかったのかが不思議です。存在は知っていましたし、テレビでご本人をお見かけもしました。
しかも退社時50歳。今年の私と同じです。
もちろん、性別が違いますし、独身、子持ちの違いはありますが、職場での立場は近いものがあります。いわゆる実務に縛られる中間管理職で、それ以上の展望が望めない。
いや、そもそも望んでいないのですが、人事異動のたびに同期や後輩が先行くことに心を乱されている。まあ、面白くもない。一言で言えば傷ついている。
現代のサラリーマン制度の不備、決定的な欠陥とも言える現状から抜け出した先人です。
読み始めると、思った以上に自分のことが書かれていました。しかももっと残酷です。地方に飛ばされるのですからね。私は20代の時にこの人権無視の会社制度に着目して、地方に職場のない大学という場所を見つけています。これだけでも私は予防線を張っていたことになります。やるな、自分と、50代に手が届く自分が20代の自分を褒めてやりたい。
でも、想像していた以上の苦しみがやはり昇進レースという馬鹿らしい制度で襲ってきます。課長に上がる前に一度経験しているので、抗体はできていますが、それでも不愉快なものです。私以下のメンバーには多様性を問います。あなただからこそできることがあると、自覚を与えます。それは事実です。私はこんな馬鹿げたレースで傷つきたくないし、誰も傷ついてもらいたくない。勝った人間がいい気になってもらいたいくない。
そういう想いで中間管理職をやってます。
しかし、潮時というのは日々わかるのです。上からはうまく行かない時の八つ当たりに近い対応を受けますし、賢い上はそのように扱ったことを悔いている様子も見え隠れします。
横を見れば転職組など、今もまだ周囲を駆逐する働き方が散見されます。メールで攻撃し、他の活躍を僻み、時に無視してね。
こんな醜い人間関係の中に身を置きたくないというのが私の希望でしょう。しかも毎朝7時前に家を出て90分もかけて通う価値はないのです。
それでも大学というところに興味津々で休日の今日は向かってます。さて、何が最適な生き方なのか。
今日もよく観察して、考えてみます。