前回の講座は豊田市民芸の森でのスケッチ会でしたので、そのスケッチをもとに制作に取り掛かって頂きました。
スケッチ自体もまだまだ未整理なので、先ずは自分のスケッチとじっくり相談して、どんな作品にするのかと、構想を練ることが大切です。
自分がどこに惹かれたのか、何に感動したのか、どんなところを描きたかったのかを、改めて確認する事が大切です。
同じ場所から同じ構図でスケッチしたとしても、描く人が違えば全く違うところに注目していて、作品にしてみると全く違う絵になる事も少なくありません。
自分が《何をどう描きたいか》という土台をしっかり固める事が大切です。
言葉にすると、大袈裟で難しく感じてしまうかもしれませんが、単純な事でも十分です。
壁の古さが面白かった、花の白さが綺麗だった、夕焼けに感動した、屋根の形に惹かれた、、、などなど。
何でもいいです。
もちろん、抽象的な事でもいいです。
素直に自分の気持ちと向き合って下さい。
それが決まれば、だんだん道がみえてきます。
慣れていなかったり、焦っていると、とにかく本画に手をいれたくて、早くスタートしたくて、ついつい見切発車をしてしまうものです。
※※※※ 未だに私もたまにやってしまいますが、ろくな事はありません。その度に後悔しています。(T_T) ※※※※
例えば、100m走であってもマラソン競技であっても、いくら足が速くて、どんなに早くスタートしたとしても、ゴールが見えていなかったり、見当違いの方向へ向かって行ったのでは、ゴールに辿り着くのは困難ですよね。
もちろん絵画の制作の仕方は、画材や環境の違いによっても変わりますし、考え方やスタイルによって、人それぞれです。
慣れた人ほど、自分なりの制作方法を確立しています。
画面上で、消したり描いたり塗りつぶしたりと格闘して、その過程の痕跡が味わいや深みにつながる事も、もちろん多くありますし、それを得るために敢えてゴールをぼかして制作に入る人もいます。
ですから、完成予想図というゴールが明確に定まっている事が、必ずしも最善策だとは言い切れませんが、水墨画の場合には、本画上で格闘するのは材料の性格上難しいので、下図作りの段階で色々試す方がより合理的に次に繋げられると思います。
あと気を付けたいのは、欲張らないことです。
あれもこれもと、描きたいものばかり詰め込んだのでは、収拾がつかなくなる恐れが多いです。
テレビドラマや映画などでは、ダブル主演という謳い文句もよく目にしますが、慣れないうちは、先ず一点に絞って描いてみて下さい。
主役候補がたくさんあるのなら、主役の数だけそれぞれ作品にすればいいのです。
どうしても捨てがたい物や事柄があれば、どちらかを脇役にまわして下さい。
ドラマでも、いい脇役がいるほど主役が光り、作品に厚みが出ますよね。
たまに主役が喰われてしまっている作品も多々ありますが、、、
スピンオフなんてのもありますし、、、
f^_^;
さて、そんな訳でスケッチからの作品のご紹介はまだまだ先になりそうですが、継続していた課題の完成作を少しご紹介します。
Oさんの作品です。
横山大観の『茄子』をもとに、違う技法で墨だけで表現して頂きました。
試し描きの段階では、墨の濃淡の調子に苦労されていましたが、仕上がりは大変綺麗な濃淡が表現出来たと思います。
そのおかげで、たくさんある葉の前後関係もうまく出ていて、臨場感のある作品になりました。
Kさんの作品です。
朝顔のお手本をアレンジして描かれた作品です。
会の中では一番キャリアの浅い方ですが、大変意欲的に取り組んでいらっしゃるので、上達も早く、ものに出来る確率も上がって来ました。
今回もいろいろ試行錯誤を繰り返された効果が出て、生き生きとした清々しい作品に仕上がったと思います。
どちらの作品も多少講師の手が入っていますが、それによってどういう効果があるのかという事を実感して頂けたと思います。
本当はその仕上げの部分を自分でやり切る事によって得るものが多いのですが、なかなか怖くて手が出せない方が多いですね。
中には手を入れてもらわないと気が済まない方も結構いらっしゃいます、、、
まっ、硬いことは抜きにしましょう‼︎
『七州楽墨会』は、豊田市旭丘交流館で活動しています。
気軽に覗いてみて下さい。

