顔
「クイズだよ」
五歳の兄が、三歳の弟に向かって言った。
手には、分厚い本を持っている。
「3個のリンゴがありました。トリさんが、2個リンゴを食べました」
分厚い本の殆どは、難しい字の羅列で、兄が言った言葉と一つも当てはまらない。
弟は、きょとんとした顔で、家のソファに座って分厚い本を読み上げる兄を、じっと床から見上げていた。
左手には、おもちゃの車を持っている。
「人見知りは誰でしょう」
兄が叫ぶような大声で言った。
答えの無いクイズ。
弟が、兄から本に目を向け、こう答えた。
「ニンゲン」
続けざまに言う。
「カイボッ、カイボッ」
はっきりした声では無かったが、か細い高い声で、確かに言った。
兄は、
「はっずれ~」
と、正解も言わずに本を閉じ、投げ捨て、どこかへ走り去った。
弟は、閉じた本の表紙のタイトルを指差し、
「ニンゲン、カイボッ、カイボッ」
と、また言った。
表紙のタイトルは、
人間解剖
五歳の兄が、三歳の弟に向かって言った。
手には、分厚い本を持っている。
「3個のリンゴがありました。トリさんが、2個リンゴを食べました」
分厚い本の殆どは、難しい字の羅列で、兄が言った言葉と一つも当てはまらない。
弟は、きょとんとした顔で、家のソファに座って分厚い本を読み上げる兄を、じっと床から見上げていた。
左手には、おもちゃの車を持っている。
「人見知りは誰でしょう」
兄が叫ぶような大声で言った。
答えの無いクイズ。
弟が、兄から本に目を向け、こう答えた。
「ニンゲン」
続けざまに言う。
「カイボッ、カイボッ」
はっきりした声では無かったが、か細い高い声で、確かに言った。
兄は、
「はっずれ~」
と、正解も言わずに本を閉じ、投げ捨て、どこかへ走り去った。
弟は、閉じた本の表紙のタイトルを指差し、
「ニンゲン、カイボッ、カイボッ」
と、また言った。
表紙のタイトルは、
人間解剖