このバンド名が、蟹なのかタブラトューラなのかも知らずに、このジャケットに惹かれて中古レコード屋で購入しましたが、その音楽はめちゃくちゃ良かったです。実を言うと、ドイツ盤だったので、彼らが日本のグループということも知らなかったです。ただ蟹と漢字で書いてあるので、「不思議だなー」と思いつつ店員にも何も聞かずに買いました。ちょうど宮沢賢治の「クラムボンが笑ったよ」という一節がある「やまなし」なんかを思い浮かべつつ、さて聴いてみたわけですが、まさにそんな感じで、古いようで新しい、ここではないどこか遠い異国や宇宙を感じさせつつも、決してリスナーを突き放さずに、誰もが子供時代に味わったであろう不思議な体験が懐かしさと共にフラッシュバックするような感覚のジャンル不問の音楽です。
彼らについて調べたところ、1984年デビューのリュート奏者/つのだたかし氏を中心とした5人の古楽器奏者からなるバンドで、このアルバムがインターナショナルデビュー作だそう。それまでに6枚もアルバムを発表してきたようです。なるほどドイツTELDECからリリースされたのも納得のキャリアを持った非常にユニークなバンドです。宮沢賢治の国境を超えたイーハトーブの摩訶不思議な世界観を引き継いだ日本人の音楽集団であると断言できるし、もっと日本人にこそ知られ、聴かれて欲しいバンドだと感じました。