家の中で、靴を脱ぐか履いたままか、というのは、
日本とアメリカでは違います。
日本人は、家の中では、靴を脱ぎますね。
そもそも、日本人はとてもきれい好きなので、
家の中に土足で入ることを、不衛生と嫌うところがあるから、
というのも、大きな一因なのですが、
日本の家屋は、優しい質感の木と、
障子やふすまなどの紙、
そして、いぐさの香りが心地よい畳、
といった、自然で身体に優しい素材で出来ているので、
そのような空間にいれば、おのずと素足で、
ぺたぺたと歩き、心地の良さを実感したくもなります。
一方、西洋では、石造りの家が多いので、
そうした硬くて、ひんやりしたところを、
はだしで歩きまわりたい、とは、
中々思い辛いのかもしれません。
多民族国家ではあっても、アメリカでは、
家の中においてさえ、人前で靴を脱ぐ人達は、
一般的ではありませんでした。
アメリカでは概して、靴を脱ぐ、というのは、
完全にプライベートでする行為のようです。
みんなのいる、リビングやダイニングルームでは、
外から入ってきたまま、靴を履いているのですが、
「あぁ、やれやれ、やっと自分だけの空間だ」
と思える、寝室に入ると、
あたかも、最後のガードを解くかのように、
靴を脱ぐのです。
そこではじめて、ようやくホッとリラックスできます。
このように、多くのアメリカ人にとって、靴を脱ぐのは、
本当にプライベートな行為なので、
誰かの家に招かれて、
さぁ靴を脱いで下さい、と言われて、
抵抗を感じるタイプの人は、
非常に抵抗を感じるのかもしれません。
私が我が家に招待したアメリカ人は、
基本、日本人である私と楽しくお付き合いをしてくれた、
理解のある優しい人達だったので、
お招きして「靴を脱いでね」と、お願いしなくても、
ここは、日本人のお家だから、キレイなのだ、
そして、はだしになっても、気持ちがいいのだ!!
わーい!!
といった感じで、勝手にはだしになってくれて、
ぺたぺた気持ちよさそうに、家じゅう歩き回ってくれましたがw。
そんな彼らではあっても、お家に招いて、
「どうぞ、スリッパをお履き下さい」
と勧められたら、
は!?
と、なって、ノーサンキュー、と言われることでしょう。
日本では、「あなたの足を汚さないように」
という配慮で、スリッパを勧めるのが心遣いですが、
誰が履いたかも分からない、そんな履物に、
自分の足を入れたくない、と強く感じるアメリカ人に、
スリッパを勧めるのは、逆効果です。
彼らにとってスリッパ、というのは、
自分だけが、快適に室内で過ごす為に履く、
プライベートなものなので、
スリッパは、アメリカ人に勧めない方がいいですね☆