去年の夏、私の世界は一瞬にして色を失いました。たったひとりの宝物である息子が、まるで夢のように突然、旅立ってしまったのです。


息子は大学で真面目に勉強に励み、将来への夢を語っていました。アメリカ留学の話をしていた時、彼は笑顔でこう言いました。「もし僕が留学したらママは寂しいでしょ?その時は養子を迎えてくださいね」と。まさか、その優しい言葉が現実になるとは思いもしませんでした。


息子を失った後、私には養子を迎える心の余裕などありませんでした。毎日が灰色で、ただ時間だけが過ぎていきました。息子の部屋を見ては涙を流す日々。そんな時、不思議な縁で親戚のQ君が我が家に泊まることになったのです。


Q君を迎える前、私は不安で押し潰されそうでした。果たして私にQ君の世話ができるのだろうか。料理を作る気力はあるのか。たったひとりの息子を失った私が、他の子に優しく接することができるのだろうか。Q君が嫌になってこの家から出て行ってしまうのではないか。様々な心配が頭をよぎりました。しかし、実際にQ君が来てくれてからは、すべてが変わりました。


Q君は勉学のために東京に来ましたが、未成年だったため部屋探しに困難があり、一時的に3ヶ月という約束で我が家に滞在することになったのです。これまで接点のなかったQ君でしたが、彼の優しさが私の心を溶かしてくれました。そして私自身の心の奥に眠っていた優しさ、天国の息子が教えてくれた優しさが、再び芽生えてきたのです。


一緒に散歩に出かけ、食事の後片付けを手伝ってくれる。まるで次男のように自然に家族の一員として振る舞ってくれる彼の姿に、私は次第に癒されていきました。


そして彼が息子の部屋で日々勉強に励む姿を見ると、胸が熱くなりました。机に向かう後ろ姿、頑張る姿勢、そのすべてが私の心を温かく包んでくれるのです。


言葉では表現できないほど深い絆が生まれました。お互いに相談し合い、Q君と約束を交わしました。早く寝ること。Q君が携帯を見て夜更かししないよう私が見守り、私も息子のことを考えすぎて悲しみに沈まないよう、Q君が励ましてくれる。お互いを監督し合い、支え合う関係になったのです。


男の子なのに女の子のように繊細に私を支えてくれるQ君。その優しさに、私は心から感謝しています。


つい最近Q君は誕生日を迎え成人しましたが、3ヶ月の予定だった滞在は、彼自身が私のことを気遣ってくれて、ご両親も「まだ成人したばかりの息子がお世話になった方が安心」と、延長することになりました。その優しさに、私は心から感謝しています。


夜、静かに空を見上げる時、私は確信します。息子が天国から、このすべてを手配してくれたのだと。


Q君、ありがとう。

信頼してQ君を我が家を託してくださったご両親、ありがとう。


そして天国で見守ってくれている息子、Noboru、ありがとう。


愛は決して消えることはありません。

形を変え、思いもよらない方法で私たちのもとに帰ってくる。息子が教えてくれた最後の、そして最も美しい贈り物でした。