つづきを纏めると言いながら、纏められずに面目無いです。

(いきなりバニラアイスの写真で始めてすみません)

『HOKUSAI』って映画が公開されるんですね。
基本あまりエンタメ情報気にしない生き物なので、映画も行き当たりばったりというか、タイミング合ったからとかでしか観ないのですが。

とりあえずTHE BIG ISSUEのスペシャルインタビュー(北斎の青年期を演じた柳楽優弥さんと老年期を演じた田中泯さん)格好良かったです。

GWは自粛も兼ねて(兼ねるものなのか?)ずっと籠もって苦手な条文を読んでいたので、慣れないことに脳が疲れてカラのお皿にラップかけたりもしましたが...
明けて久し振りのスクールのタイミングで、買わせてもらった5月1日発売の406号。
宇野重規さんの寄稿もあってテンション上がりました。

名古屋入管でウィシュマさんが亡くなってしまったことと中間報告での隠蔽や、入管法改正案(改悪案)について。
6日にはnews23で(たしか)、8日には報道特集で詳しく報道されましたね。
7日の質疑を見ていたのですが。質疑で厳しく追及がなされていて、人ひとり亡くなってしまったことの重みを受け止め、政党関係なく真相を解明すべきだという各党議員の姿勢が印象的でした。

以前に書こうとしていたことから、その質疑で新たに確認されたこともあり、纏め内容を予定から変更して書こうと思います。

質疑が一時中断する事態にもなった、監視カメラ映像の開示の件ですが。
(亡くなったときの状況も含め24時間撮影していたというもの)
川上大臣や松本次長がプライバシーや保安上の観点から理事会での公開すらしないと答弁していましたが。
山花議員の質疑でこれらのことは非公開理由に当たらないと確認されました。

・一般的には死者はプライバシー対象になく、ご遺族にその判断が委ねれ、今回ご遺族がビデオの公開を求めている
・過去に名古屋刑務所で起きた死亡事案は、後に刑事事件となり、特別公務員暴行陵虐致死罪となった。このとき国会では、人の命が奪われた重大な事案として、理事会で(政府を外し議員のみで)内容を確認し、何が起きていたかを発言して議事録に残すという対応をした。

今回、名古屋入管で起きたことは、まさか職員の犯行現場が映っているというものではないはず。保安上の観点という考えでも、前に述べた事案と比べ、理事会でさえ公開しないという理由には当たらない。

階議員がつづいてこのビデオの資料開示を求めた際に大臣が質問に答えず、一時審議が中断され、急遽相談の理事会が開かれるという事態になりました。
結果、最終報告を待ってビデオの開示を判断したいという旨の答弁をされたかと思いますが。
↑これを異常な対応だと思っています。

このような深刻な事案を脇に置いて、なぜ入管法改正案の採決を急ぐのか。

そして、報道でもありましたが。
藤野議員が質疑で確認した内容で、とても重要な指摘がありました。
以前の質疑での、静岡警察の答弁も衝撃的でしたが。
(DV被害を申告した女性を「難民認定法違反で現行犯逮捕」したと)

DV被害者を保護するための国内法が制定されたとき、それに沿う形で入管独自で作ったルールがあったと。
『DV事案に係る措置要領(2008年7月)』、
これには下記のような記述がある。

「DV被害者又はDV被害者と思料される外国人」(措置の対象者)
「配偶者からの暴力は,犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であり,人道的観点からも迅速・的確な対応が求められている」
「DV事案の内容等について事情聴取を行うなどし,その事実関係を可能な限り明確にする」
「事情聴取は,DV被害者等の母国語を解する職員が行い,又はDV被害者等の母国語の通訳を介して行うとともに,柔和な態度で不安感を払拭するよう留意する」
「DV被害者等の配偶者又はその関係者である可能性がある者に知られることのないよう秘密保持に努めなければならない」
「退去強制手続きをすすめる場合」
「仮放免( 即日仮放免を含む。)した上で所定の手続きを進めるものとする」

彼女は交番でDV被害を訴えた、(非正規滞在として逮捕された翌日)名古屋入管に引き渡された。
仮放免申請書の下書きにもDV被害について記されている。
しかし、入管において、最初の面談以降は母国語の通訳を付けず必要な聴取はされず。
(中間報告資料では医師の診断を聞く際にも、通訳がなかったときがあったと捉えられる記載がある)

即日仮放免という対応もできたはずの状況で、長期収容されつづけてしまった。
入管自身が決めたルールも守られずに、人が亡くなってしまっている。

山花議員の指摘にもありましたが。
死亡事案の原因が制度の問題であった場合、次に何を改善する必要があるのかの点が重要で。
事案の真相解明なくして法改正というのは順序がおかしい。

そして藤野議員の指摘にあったこの措置要領が守られずに、人が亡くなってしまった状況で。
最終報告も待たずに、審議もままならぬまま、法改定など考えられません。

更に、串田議員が指摘したように。
コロナ感染症の流行で医療が逼迫し、皆が毎日を不安に過ごす状況で、オリンピック関係者が抜け穴となり変異株が持ち込まれることが懸念される状況で、ワクチンが変異株に対応するかも不明であるのに。
なぜコロナ対策を審議せずに、今このタイミングで入管法を採決しようとしているのか?
(いつもは巧妙に与党にすり寄る気配を見せてきた串田議員も、とてもまともな指摘をしてくれていました)
(医療逼迫に関しては、党の方々に色々と思うところはありますが)

改正案には、これまでにまとめたような監理措置や強制送還を可能としてしまう重大な問題が盛り込まれている他。

→ 収容者が亡くなられた際にご遺族等関係者に通知する旨が書かれていながら、通知方法の具体的明記もなく。
(通知を受けていつまでに連絡がなかった場合などの期限の設定もなく)

→ 対応者がいなかった場合は入管が埋葬または火葬するという条文があったり。

今回の事案で、支援者と女性とがやりとりした手紙の内容で多くの事実が確認されていますが。
→ “入国者収容所等の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれ”を理由に、信書の発信差し止めや削除、差し止めた信書を引き渡さないとするなどの内容もある。

入管が全ての裁量を握ることがより強化されてしまうとともに、隠蔽をたやすく可能としてしまう法案内容になっている。

最近になり著名人も声を上げ始めてくれていますが(以前から問題意識を持っている方も)。
7日の採決は見送られたものの。
12日にも強行採決される懸念があると情報がありました。

(個人的には通信記録の監視のような内容も危惧していいます)

今日5/9(日)20:00~ Choose Life Projectさんがこの入管法改正案について、なんと各党の議員さん出演で配信してくれるそうです。
(与党議員さんもオファー中で、討論が聞けるかと思います)
☞ https://youtu.be/9lNgw6feTKQ

一人でも多くの方が、日本の入管における現状や、改正案の問題に気付き、声を上げてくれることを願います。

あと、長年入管の改善に向けて取り組まれてきた弁護士さんの夢が共有されて、社会が意識を変えていく明日を、願います。

末尾に、いくつか報道記事などを載せます。
この件で、日々尽力され、疲れが溜まっている方も多いと思いますが。
皆さんどうか健康に。

(一息入れたときのゴマ煎餅の写真を載せておきます)

(あと、CDジャケット風になった歩道橋の写真も)

健康に生きましょう。
また。

----------(報道記事・会見動画)----------
[毎日新聞:入管収容中、スリランカ人女性死亡　「高度医療必要だった」　対応不適切　医師が指摘 ] ☞ https://mainichi.jp/articles/20210501/ddn/041/040/012000c

[東京新聞:【独自】スリランカ女性、死亡時の血液検査で異常な値「点滴や入院必要だった」と医師] ☞ https://www.tokyo-np.co.jp/article/100892

[毎日新聞:「同じ日本に生きる」　作家・中島京子さんと入管法改正を考える] ☞ https://mainichi.jp/articles/20210504/k00/00m/040/068000c

[毎日新聞:「仮放免で良くなる」　女性が死ぬ2日前、医師は入管に勧めていた] ☞ https://mainichi.jp/articles/20210423/k00/00m/040/241000c

[東京新聞:医師「患者のため思えば、仮釈放を」　入管収容のスリランカ女性を死亡２日前に診察] ☞ https://www.tokyo-np.co.jp/article/99859

[毎日新聞●動画:「入管法の改悪反対」作家・中島京子さんや遺族らが廃案求め会見] ☞ https://video.mainichi.jp/detail/videos/%E6%96%B0%E7%9D%80/video/6252859488001?autoStart=true

[朝日新聞:入管法改正案、採決で攻防　野党、死亡事案の解明求める　与党、今国会めざす] ☞ https://digital.asahi.com/articles/DA3S14896310.html?iref=pc_ss_date_article

20210509_気になる映画、入管法、休憩のおやつ