流行というものに敏感に反応していた時期があった。
20代から30代にかけての、
「もしかして自分は不死身ではないか?」
と錯覚するほど生気に満ちた年頃のこと。
ちょうど仕事も上向きで、収入も増え、
田舎から上京した時であることも相まって、
負けん気のような意地がそうさせていたことも理由のひとつだと思う。
家電品や衣服、ライフスタイル全般で他人に遅れをとることが、ダサいこと、
最先端に遅れをとらないことが、取り残されないための手段だと、
本気で思っていた。
ある時期を境に、そんな流行になんの価値観も感じなくなり、
流行、いわゆる流行りもの以外の、
自分がホントに欲しい、身に付けたい、使いたいと感じたモノにしか興味を抱かなくなった。
あの、自分の価値観を変えた原因がなんだったのかは、直接的な理由は未だわからないが、
"虚勢を張る"ことの愚かさというか、惨めさに自分の中で気づいたからかも知れない。
人生のほぼ半分を、周囲に頼ることのできない未知の土地へ移り住み、
そこでナメなれてはいけない、バカにされてはいけないと自分に言い聞かせ、
自然と虚勢を張ることを処世術として身に付け、
言い換えればカッコつけのハリボテ人生を送ることが当然のように振る舞っていたあの頃が、今となってはちょっと気恥ずかしく思う。
今、まだ世間ではブランドものの装飾品や小物、洋服や車など、
当時と違った流行がある。
必死に流行を追いかける人も身近にいる。
それらを否定するつもりは全くないが、
なぜ?という疑問はある。
ハチャメチャに高い、高級ブランド品、
それなりに品質もイメージも良いのだろうけど、
それを身に付けて自分のステイタスは満たされても、自分の価値は上がるワケではない。
単純に、この「流行」って、
もともとは誰が発信し始めたのだろう?
少しずつだけど、なんかこの「流行」っていう正体不明の現象は、もしかしたら意図的に作られているんじゃないか?
そんな風に考えるようになってから、
余計に流行に対して乗らないようになった気がする。
流行を追いかけることが、悪いこととは思わないが、
流され癖がついて、判断力とか個性が失われるのは寂しいことのような気がする。
他人の目を必要以上に気にしなくなったことが、自分が流行から離れた原因かも知れない。