東京に行けば何でもあるし、何とかなる。
そんな思いと、都会への憧れがあった10代のボク。
山口から東京って、距離で言うとだいたい1000kmあるから、想像はできてもなかなか行動には移せない。
まるで地球から月に行く感覚に近い。
だいたい学校を卒業して社会に出たら、そこから新たな出会いというのは少なくなりそうだけど、ボクは逆だった。
下関から始まり、北九州から福岡、さらには目指した東京と、今はコスパを考え神奈川だけど、
一般的な人よりは人生の節目も多く、併せて人との出会いも多かった。
ボクは本気で東京人になろうとまで思うほど東京が好きだったから、
仕事で成功できなかろうが、思った生活ができなかろうが、東京に住み続けて東京で人生の幕を引こうとまで思ってた。
ずっとひとりだったから、寂しいこともあったけど、寂しさが理由で考えが変わることはなかった。
なんでだろう?
いつの頃からか、そんながむしゃらで虚勢を張って生きてる自分を客観的に捉えて、
バカじゃないかと思うようになった。
大都会の東京の、地元、要は東京生まれの東京育ちみたいな人は、質素でさほど飾らず、家族と仲良くしている人が多く見えた。
流行の最先端で、東京にいるだけでカッコよくて、って思ったもう少し先には東京人、江戸っ子がそこにいた。
感覚とか、センスとか、捉え方の問題だと思うけど、
さり気なさ、自然な振る舞いが様になってる。
気取ってないし、嫌味がない。
そんな所から、だんだんと東京に対するこだわりとか、憧れの視点が変わったんだと思う。
その後、神奈川へと移り今度は自然の雄大さに目を惹かれるようになる。
その間、約30年。
ボクもそれならに歳を重ねて目が肥えて、考えも深まり、世の中の見え方が変わった。
数年に一度見る、母の姿が会うごとに老いていく。
東京って場所にだけ憧れたボクは、果たして何がしたかった?何が欲しかった?
東京だから、とりあえず身の回りのものは揃ったし、それなりに人脈もできたし、趣味も広がった。
さて?
いいこと、悪いこと含めていろいろ経験したボクは、この経験値を担保に、
ひとりでどこまでできるのかを試したくなった。
ちょうど同時期から、少し人間関係のしがらみに嫌気が差していたのもあって、
そこから移住を考えるようになった。
気づけばあと何日もすれば58歳。
完全におっさんじゃないか!
「あれ、やっときゃ良かった」
って後悔だけはしたくなくて、計画を始めたボクのプロローグでした。

