私の祖母は顔が広いことで有名だ。

広いが故に近所の情報は何でも知っている。

「あの人に込み入った話はしないほうがよい」とささやかれるおばあちゃんである。


社交的で、話好きで、一人でずーっと話している。


自転車(ババチャリ。ハンドルにカバーしてあるタイプ)に乗って、ご近所をうろうろしては、沢山の友達と話すのが日課であった。

もちろん近所に住んでる私の家に、なにかにつけて用事を見つけては、1日に何回も自転車で通った。


そんな祖母は、足に水が溜まったことから、どんどん足を悪くした。

さらに脳の病気で、転倒することが増え、手術をした。

それ以来、自転車にも乗らなかった。

近所はうろうろしているみたいだが、私の家には着たことがない。


そんな祖母に、私の両親は、手押し車を提案した。


押して近所を散歩したらいいよ。やっぱり、何が何でも自分で歩かないとね。

疲れたら座れるように、椅子にもなるみたいだよ。


定額給付金の話題も廃れてきた頃、祖父が手押し車を買ってきた。

新品の手押し車。


早くこれで私の家にあそびにきてね。


しかし、一向に祖母は現れない。


プライドが高い祖母は、自分はまだ手押し車を押す年齢ではない。と密かに思っていたようだ。


結局、手押し車は何ヶ月も使用されていなかった。



そして今日、ゆめかうつつかの私の耳に祖母の声が届いた。

何事かと思い、玄関に行くと、祖母の姿が。

その右手には杖。

なんと、自宅から私の家まで15分ほどかけて歩いてきたらしい


ちょっとふらっと来てみたよ~


とてもびっくりした。


おそらく歩こうと思ったきっかけは、来週末の長女の家へ一人旅。

自分の足で、バスに乗り、飛行機にのる。

おそらく広い空港では、車椅子のお世話になるだろう。

それでも来週末の旅行は希望となり、祖母を生き生きとさせてくれている。


希望があるから乗り越えられる。

億劫なことも背中を押してくれる。

希望があるから頑張れる。


そんな事をぼんやり考えた日曜の朝でした。


久しぶりにショーシャンクの空へをみたくなったな~

希望といえば、ショーシャンク。