「世界の美しさを思い知れ」
本の紹介文を読んで、図書館に予約をいれた。
「遺書もなく自殺した双子の弟の携帯。同じ顔を持つ兄が顔認証を突破すると、礼文島行きの航空券を見つけた。そこに弟の「死」の答えはあるのかー。マルタ島、台湾、ロンドン、NY、南米、東京、青春小説の名手が紡ぐ「喪失と再生」の物語!」
もうちょっと前なら、手に取るのをためらったかもしれない。逆に何か答えを求めて読み始めたかもしれない。
図書館から意外と早く連絡がきたので借りてきて読み始める。
春馬君からモチーフを得たの?と思うような設定もあり、ちょっと複雑な思いを持ちながらも、心惹かれるストーリーや表現で一気に読み終えた。
物語の中の双子の兄のように、ごく近しい人の気持ちは計り知れない。でも、いろんな思いを抱えながら生きていくしかないんだよね。
なくなった人への思いは、その関係性やその人となりでそれぞれだと思うが、あらためて自分はどう?と考えた。私は、単なるファンなので、何かできたのではなんてつゆとも思わない。春馬君が何を考えていたかとか、もういない春馬君がどう思うか、という視点も持ち合わせていない。ただ不在が悲しい。でもずっと悲しんだままでもない。「星の王子さま」の言葉を借りれば、「今では少し、悲しみはやわらいだ。つまり……消えたわけではないということだ。」突然泣けちゃったりするけどね、楽しいこともたくさんあるのだ。だって、やっぱり、春馬君にいざなわれた世界は美しいのだよ。