昨日も触れましたが、「令和6年度介護報酬改定に関する審議報告」が、昨年の12月19日に公開されました。

令和6年度介護報酬改定に関する審議報告|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

この中にも書かれていますが、事業継続計画未作成減算が令和6年度より適用されます。日本では繰り返し大きな災害が発生し、またここ数年は、新型コロナウイルスにより社会の仕組みそのものが変えられてしまうような大きな影響もありました。このような現実を考えれば、事業継続計画(BCP)の作成は、現実的に不可欠なものと怖いくらい感じています。

 

僕たちは、高齢者施設と障がい者グループホーム、そして診療所の入院患者さんも含めると、常時200人を超える人たちの生活を支えています。この人たちを支えるにあたり一番大切なことのひとつが「食事の提供」です。どんなことがあっても、食事を提供できないという状況に陥ることは出来ないのです。BCPについて議論をはじめるとあまりにも広域になるため、今日はBCPのうち「食事の提供」について思うところを書いてみたいと思います。

 

2年前、僕が青森県東北町のこの会社に着任して、BCPについて一番課題と考えて早急に対処しなければならいないと考えたのは「食事の提供」でした。当時、1日の食事料金は1,200円と関東ではあり得ないような低価格でした。実は更に5年前には4か月だけ青森のお手伝いで生活していて、朝と夜ごはんは入居者の皆さんと同じ食事を食べていたのですが、器などの見た目はさておき、味はとっても美味しかったのです!この味で1日1,200円って安すぎると感じたものです(;・∀・) 業務委託前の食事はこんな感じでした!

 

 

 

それでも、今年6月から給食大手のシダックスさんに食事提供の業務を委託しました…費用は目が飛び出るくらい上がりましたが( ;∀;) その理由のひとつは行事食の充実、そして一番の理由は安定した食事提供体制を確保することなのです。自社厨房の最大のメリットはコスパの高さです。自社厨房と業務委託を比較した場合、両者が同じ経費だとすれば、平常時にただ単に美味しい食事を提供すればいいというなら自社厨房の方が圧倒的に美味しいものを提供できます。それでもなお、大手の給食会社に業務委託すべき理由があるのです。

 

僕たちの会社のような地方エリアでは、そもそも採用リスクがあります。労働人口は明らかに減っていて日常の食事提供を出来る人を採用すること自体が難しいのです。さらにコンプライアンス対応、食中毒を出さないことはもちろんですが、今の時代は食事の提供において守らなければならないルールが多くなり、しかも厳密になっています。そして一番の問題が非常事態です。コロナのような感染症で調理員が出勤できなくなったら誰が食事を作るのでしょう?都心部であればお弁当業者に頼むことで200名分の食事提供も可能ですが、地方エリアではまず無理でしょう。そして大規模な災害時…3日の備蓄があったところで200名の食事を一週間支えるとすればどうにもなりませんよ。

 

僕はある大手上場企業の介護事業部のエリア長だったとき、東日本大震災で一週間以上通常の運営が出来ない状況が生じたエリアがありましたが、大手給食会社の力で、電気が来ていなくても、水道が使えなくても、水や食事の提供だけは滞りなく行えたという経験があります。自社厨房だったら守れない可能性のある入居者さんの当たり前の日常を守るためなら、どんなに経費が上がっても本業のプロに委託する必要があると僕たちは考えます。

 

僕たちは、起きるか分からない、きっと起きないだろう、っていうことに対しても本気で対応する気概のある企業でありたいと思います。それがBCPに真摯に取り組む企業だと思います。グループ会社の八王子では、入居者だけじゃなく職員も含めて一週間分の食料備蓄や簡易トイレなども用意をしていますし、通常の施設ではないような救出備品や患者の搬送機器なども用意しています。地域の方の受け入れも想定しています。過去に災害があったエリアへ必要物品の寄付もしています。今回も不足している物品の送付を準備しています。

 

高齢者施設が災害時に炊き出しなどを出来るように、イベント時などを通じて作る経験を積んでおくことも必要ですね。

 

 

今日はいつもに増して長文になってしまい申し訳ありませんでした( ;∀;)

最後までお付き合いくださった皆さん、ありがとうございました(#^^#)