Uさんは疲れている。 


自分の担当する

あちらこちらの部署から

ひっきりなしに電話が来て

それに対応。


直接出向いて

対応に当たることもある。


その合間に山のような

自分の業務もこなし、

帰宅しても緊急時には

時間も休みも関係なく

指示を仰ぐ電話が来る。

深夜に出て行くこともある。


私も日常的に割と忙しい。


お互い家に帰ったら

束の間、のんびりしたい。


たいていは家に帰れば

家の人に

今日、こんなことがあってさ〜

などとその日の出来事を話し

愚痴を吐き出せたり

お互いの思いを共有して

安心して

1日を完結するのだと思う。


私もそうしたい。

子どもと3人の時は

そうだった。


しかし、同じ職場にいる

私達はそれが出来ない。


仕事の話題になると

スイッチが入ってしまい、

リラックスモードが保てない。


しかもお互い疲れているので、

相手の話をゆとりを持って

聞けない。


イラついて

ケンカになることもある。


家に帰ったら、それぞれが

自分の好きなことをして

過ごすのが一番ホッとできる。


Uさんはキッチンで

焼酎を飲みながら

YouTubeを観る。


私は横のダイニングで

ビールやチューハイを

飲みながら、録り溜めた

ドラマを観る。


お互いの気配を感じながら

別々に過ごす幸せな時間。


一人暮らしが2人いるような

不思議な空間。


予定が合えば二人で出掛ける。


二人でいる意味ってあるの?

じゃあ、別々に暮らしても

いいんじゃないの?

とも思うが、

きっと二人でいることには

何か意味があるのだろう。


紆余曲折を経て

ようやく確立した

我々のスタイル。