今の時代は年代を問わずひとり暮らしが多くなってきている。初めからシングルの人もいるし、離別や死別などで一人になる人もいる。

メディアで「一生賃貸暮らし」や「老後のひとり暮らし」を礼賛するような情報を目にすることがあるが少し違和感がある。私は、高齢者が訳あって引っ越しをしなければならなくなり、部屋探しの手伝いを経験したことがあるが並大抵なことではない。

大家さんが高齢者という理由で断ってくるのだ。表向きの理由とは別で本音では高齢者はリスクが大きいので貸せないという。例えば、孤独死になる可能性や、認知症が進んで誰も面倒見る人がいない事、また室内がゴミ屋敷にされてしまうなど様々な理由がある。

 

誰だって年をとるのだからもっと寛大な心で、と言ってみても他人事だから言えるのであって、当事者にとって切実な問題になれば無理に進めることもできない。

一般的な賃貸物件は、強力なコネが要るか、資金力が高い人でないとダメなどかなりハードルは高くなる。高齢者が一般的な賃貸住宅で住み替えをすることは難しいと考えておいた方が良い。

 

これは私の考えだが、都心から少し離れた地方では中古戸建てが安く手に入る。ローンを組んで購入し、リフォームしてから人に貸し出す。賃料からローンを返済して少し黒字になるようにして積み上げていく。5年に1回位の割合で修繕など大きな出費がある。目的は儲けることではないのでトントンになる位で継続して運営していく。ローンが終わる20年後くらいで仮に空き家になれば今度は自分の住まいとして考えれば良い。完全な所有権になるのでそこで自由に自分の生活を築けられる。

 

私の考えに賛同するかどうかは別にしても70歳以降の自分の住まいを考えておくなら50代にはどうしたいのか考えておかないといけないだろう。

サブリースとは、事業者が転貸を目的に不動産所有者から賃借し、第三者に貸し出す事業形態です。事業用店舗や住居の一括借り上げまで様々な形態があります。ある程度の資金力がないと事業としては成り立ちませんので大手不動産会社が多いようです。

サブリースは正当な事業ですが、一部不動産会社とのトラブルがあるようですので注意が必要です。

トラブルで多いのが主に2つで「賃料減額請求」と「解約拒否」です。

居住用のアパート一括借り上げで、例えば「30年間借り上げます」などとセールストークされているものです。所有者としては、空室になったとしても家賃収入が入ってくるので安心だと思います。しかし空室が続けばサブリース会社としても利益を生まないばかりかヘタすれば損失なるかもしれません。サブリースは「特定賃貸借契約」などと呼ばれていますが、実態は借地借家法の適応を受けます。近隣相場より割高になれば家賃の減額を要求してくるでしょう。建物は経年劣化にともない家賃を下げることがあるでしょう。新築ならともかく転貸で利益をのせていますから賃料は割高です。

「賃料は減額しない」旨の特約があったとしても借地借家法では消費者保護の観点から無効です。

普通の不動産貸付業の方は金融機関から融資を受けているでしょうから、家賃収入が減るばかりか、これからは返済の利息が上がればにっちもさっちもいかなくなるかもしれません。

 

それならばいっそのこと「サブリースなんてやめてしまえ」と解約を申し出ても、普通借家契約の場合はオーナーからの解約には「正当事由(理由)」が必要です。収入が少なくなったから等の理由で解約に応じないでしょう。

サブリース契約がすべて悪い訳ではありませんが、「一括借上制度」とか「家賃保証制度」など甘いセールストークに安易にとびこまないことです。

建物を見てきて、その良し悪しが判断できる様になることは大切です。マンションも戸建ても新築のうちはとても立派な建物に見えるのですが、10年くらい経った頃に建物の良し悪しに差が出はじめます。

実害として良く出る問題に「雨漏り」があります。雨漏りは建物の構造や形状などで弱点になりやすいものがあります。一例ですが「南向き天窓」があります。

天窓とは、屋根面や天井に設置する窓で採光などが目的です。室内は確かに明るくなりますが、夏は日差しがもろに入り室内はとても熱くなります。天窓はもともと北側の暗い部屋に設置するもので南向きに設置するものではありません。

天窓は雨や風の影響を受けやすく、また紫外線の影響をもろに受けますので防水シートやサッシに使うゴムパッキンの劣化が進みやすいのです。

 

経年劣化した部材を自分で定期的に修繕できれば材料費程度で済みますが、普通は専門業者に修理を依頼することになるでしょう。その度に足場を組んで屋根に登って修理をしていたのではコストが大変です。

天窓はオシャレな印象がありますが、屋根に穴を開けることはリスクが大きいです。建物が古くなってくればメリットよりもデメリットの方が大きくなるやっかいなものになると言えるでしょう。