もう20年前になるが、私はマンション経営(不動産貸付業)をやりたくて中古物件を探しまわっていた。関東地方で物件を何十件と見てまわり、最終的に栃木県にある4階建てと茨城県にある4階建ての2つに絞られた。築年数や構造など大体似たような物件で表面利回りもほぼ同じようだ。ただ栃木の物件には設備としてエレベーターが付いていた。不動産関連の仕事をしていたとはいえ、私には知識と経験が足りない。大きな理由は無かったのだが、第一印象が良かった茨城の(階段)物件を購入することにした。

今振り返えると、あの時の選択がもし間違っていたら私は大失敗していただろうと思う。エレベーター付きの物件はとても注意が必要で、とにかく金がかかるのです。

日々のメンテナンス費や電気代、25年位経つと箱のフル交換を提案してくる。中古で物件を購入する人は買ってから数年でエレベーターのフル交換と言われるかもしれない。見積書を見てビックリというのが普通の人の感覚だろう。あまりにも高いので「相見積もり」を取らせても日本のメーカーならどこも似たり寄ったりになる。では外国の会社ならどうだろう、と考えてみてもあまり進められない。

 

エレベーターの設備が無駄であると言っているのではない。ただ本当にエレベーターが必要な建物なのかどうか見極めたい。建物の高さ・家賃収入・入居者構成などを考え、収入と出費のバランスがちゃんと取れているのかどうか。利益を出す為に買った投資物件も金喰い虫の設備で折角貯まったお金が吹き飛んでしまわないように注意が必要だ。